篠原駅 (滋賀県)

篠原駅：歴史と変貌を遂げる琵琶湖線沿線の駅

滋賀県近江八幡市上野町に位置するJR西日本東海道本線（琵琶湖線）の篠原駅は、その歴史と近年の発展が目覚ましい駅です。駅番号はJR-A20。

意外な駅誕生秘話と歴史

篠原駅の設置は当初、現在の野洲市付近が予定されていました。しかし、地形の勾配が問題となり、現在の場所への設置に変更されました。1918年（大正7年）6月1日、国有鉄道篠原信号所として開業。その後、1921年（大正10年）4月20日には旅客・貨物の取り扱いを開始する駅へと昇格しました。貨物輸送は1962年（昭和37年）2月1日に廃止。国鉄分割民営化（1987年4月1日）を経て、JR西日本へと継承されました。1988年（昭和63年）3月13日には「琵琶湖線」の愛称が使用開始され、現代の駅名表記へと変わりました。

その後も、自動改札機の設置（1998年）、ICOCA対応（2003年）、駅自動放送更新（2007年）、接近メロディ導入（2015年）など、利用者の利便性向上に向けた取り組みが継続的に行われました。特に、2015年9月19日には、自由通路と橋上駅舎が供用開始され、大きな転換期を迎えました。これにより、南北の行き来が容易になり、バリアフリー化も大きく進みました。改札外コンコースにはトイレも設置され、快適性が向上しました。南口の開設（2015年9月19日）や駅前広場の整備（2016年）も、駅の利便性向上に大きく貢献しています。駅ナンバリングは2018年3月17日に導入されました。

駅舎整備プロジェクト：地域とJR西日本の連携

橋上駅舎と自由通路の建設は、近江八幡市、野洲市、竜王町の3市町とJR西日本が連携して進められた大規模プロジェクトでした。「篠原駅周辺都市基盤整備推進協議会」が1992年に設立され、長年の計画と準備を経て、2012年には協定が締結。約14億3300万円の総工費をかけ、利用者にとってより快適な駅へと生まれ変わりました。

駅構造と運行

篠原駅は相対式ホーム2面2線の地上駅です。かつては中線が存在しましたが、現在は撤去され、停留所として分類されています。駅業務はJR西日本交通サービスが委託運営し、彦根駅の管理下にあります。ICOCAをはじめとする交通系ICカードも利用可能です。日中は1時間あたり2本の電車が停車し、朝夕は本数が増加します。新快速は停車しません。

利用状況と周辺環境

近年、東海道本線米原～神戸間の各駅で最も利用客が少ない駅となっています。駅周辺は住宅街が広がり、駐車場も点在しています。南口開設に伴い、アクセス道路やバイパス道路も整備され、利便性が向上しています。北口にはポリテクカレッジ滋賀などの教育機関、商業施設、郵便局などが立地し、南口には寺院や神社などがあります。

アクセス

近江鉄道バス、野洲市コミュニティバス、あかこんバスが乗り入れており、近江八幡駅や野洲駅などへのアクセスも可能です。北口と南口それぞれのバス停から、周辺地域へのアクセスも容易です。

隣の駅

近江八幡駅
野洲駅

篠原駅は、歴史と近年の発展が共存する、地域住民にとってなくてはならない存在となっています。これからも、利用者の利便性向上に向けた取り組みが期待されます。

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