篭ノ登山

篭ノ登山：群馬と長野の境にそびえる美しい山

篭ノ登山は、群馬県吾妻郡嬬恋村と長野県東御市の境に位置する標高2,227.91メートルの山です。「ぐんま百名山」および「信州百名山」にも数えられ、多くの登山愛好家から親しまれています。

2つの峰と絶景の眺望

篭ノ登山は、東篭ノ登山と西篭ノ登山という2つの峰から構成されています。東篭ノ登山山頂には「篭塔山」と名付けられた一等三角点が設置されており、その正確な標高は2,227.91メートルですが、地理院地図では2,227.9メートルと表示されています。山頂からは、周囲の山々や遠くまで広がる雄大な景色を一望できる絶景ポイントとして知られています。一方、西篭ノ登山は東篭ノ登山よりやや低く、標高2,212メートルです。

約8万年前に誕生した溶岩ドーム

地質学的には、篭ノ登山は複輝石安[[山岩]]からなる溶岩円頂丘（溶岩ドーム）です。約8万年前に、周辺にある成層火山である三方ヶ峰や水ノ塔山などの火山活動によって形成されました。これらの火山活動の歴史を紐解く上で、重要な地質学的意義を持つ山と言えるでしょう。

豊かな自然と観光資源

篭ノ登山は上信越高原国立公園内に位置し、その周辺には多くの観光資源があります。東麓には車坂峠や高峰高原が広がり、さらに東には浅間山がそびえ立ちます。南麓には、アヤメの群生地として有名な池ノ平湿原があり、そこから東篭ノ登山山頂までは整備された登山道を約50分で登ることができます。池ノ平湿原に隣接する兎平登山口から登るルートが一般的です。山頂からは、さらに東へ水ノ塔山、西へ西篭ノ登山へそれぞれ30分から40分ほどで行くことができます。南には高峯山や三方ヶ峰といった山々が連なり、西麓には湯の丸高原が広がり、地蔵峠までなだらかな裾野が続いています。周辺には湯の丸高峰林道が通っており、観光地として開発が進められています。これらのアクセス性と自然環境の豊かさから、年間を通して多くの観光客や登山客が訪れる人気のスポットとなっています。

研究の歴史

篭ノ登山を含む浅間・烏帽子火山群の火山活動については、地質学者の西来邦章氏、高橋康氏、松本哲一氏らによる研究が発表されています。彼らの研究成果は、この地域の火山活動の歴史や地質構造を理解する上で重要な知見を提供しています。これらの研究は、篭ノ登山を含む周辺地域の成り立ちや、将来的な火山活動予測に役立つ貴重な資料となっています。

篭ノ登山は、その美しい景観と豊かな自然、そして地質学的意義から、群馬県と長野県にまたがる貴重な自然遺産と言えるでしょう。登山やハイキングだけでなく、周辺の観光地と合わせて訪れることで、より深くこの地域の魅力に触れることができるでしょう。

もう一度検索