粟屋就方

粟屋就方の生涯と功績

粟屋就方（あわや なりかた）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、毛利氏の譜代家臣でした。彼は父粟屋元重のもとに育ち、主に備中国を中心とした地域で数々の軍事行動に参加しました。

出生と初期の活動

就方は天文23年（1554年）に生まれ、戦国の激動の中で育ちました。彼の父、粟屋元重は毛利氏の家臣であり、その影響を受けて育った就方は、早くから軍務に携わることになります。天文23年6月5日に行われた折敷畑の戦いにおいて先陣を務めると、天文24年の矢野の戦いでもその手腕を発揮し、毛利元就や隆元から感状を授かります。

永禄元年（1558年）には、周防国玖珂郡及び安芸国山里の土地が与えられ、彼の地位がさらに強化されました。これらの出来事は、就方が毛利家において重要な役割を果たすことを示しています。

軍事活動と功績

永禄6年（1563年）頃、元就の指示により備中国の三村家親のもとに赴きます。また、同年1月から2月にかけては香川光景と共に伯耆国出陣の要請を行い、備後国の将兵を指揮して軍を動かすなど、彼の指導力が光る時期となりました。彼の活動は、主に備中方面で多岐にわたり、戦力の強化に寄与しました。

元亀2年（1571年）に元就が病に倒れた際には、安芸国高田郡吉田へ戻りますが、元就の死去を受けて備中国の情勢が不安定になることを懸念し、急いで現地に戻る決断を下します。就方は急いで通夜を行い、葬儀を待たずに現地へ向かう姿勢が評価され、彼の忠誠心と責任感がよく表れています。

天正4年（1576年）には、将軍・足利義昭が備後国鞆に訪れた際、感謝の意を示すために真木島昭光から天国の太刀を賜ります。これは彼の地位や功績の証とも言えます。

晩年と死去

天正20年（1592年）4月10日に就方は死去しますが、その遺志は子の元相に引き継がれました。武将としての彼の業績は、後世にわたって語り継がれています。

逸話

彼にまつわる逸話の一つとして、酒の飲みすぎによる体調不良が挙げられます。就方の一族である粟屋元信が毛利隆元にその健康状態を報告し、隆元が彼をたしなめる書状が残されています。このことは、就方が人間味にあふれた、一人の武将であったことを示しています。

参考文献

• - 舘鼻誠『元就・隆元家臣団事典』（河合正治編『毛利元就のすべて（新装版）』新人物往来社、1996年）
• - 『萩藩閥閲録』巻33「粟屋勘兵衛」

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