粟屋駅

粟屋駅（廃駅）

粟屋駅は、かつて広島県三次市粟屋町に位置していた、西日本旅客鉄道（JR西日本）三江線の駅でした。2018年4月1日の三江線全線廃止に伴い、惜しまれつつも廃駅となりました。

歴史

粟屋駅は、1955年3月31日に三江南線（当時）の三次駅 - 式敷駅間が開業した際に新設されました。当初から旅客のみを取り扱う駅員無配置駅として、地域住民の足として利用されました。

1975年8月31日には、江津駅 - 三次駅間が全通し、三江南線は三江線の一部となりました。これにより、粟屋駅も三江線の所属駅となりました。

1987年4月1日の国鉄分割民営化により、駅の運営は西日本旅客鉄道（JR西日本）に引き継がれました。

そして、2018年4月1日、三江線の全線廃止に伴い、粟屋駅もその役割を終え、廃駅となりました。

駅構造

粟屋駅は、三次方面に向かって左側（構内の北西側）に単式ホーム1面1線を有する地上駅（停留所）でした。浜田鉄道部が管理する無人駅で、待合室を兼ねた簡素な駅舎がホーム上に設置されていました。乗車時は、直接ホームに入る構造で、自動券売機などは設置されていませんでした。

2021年3月末時点では、旧駅舎（待合室）やホームなどの施設、駅周辺の線路が残存していました。しかし、ホームへの立ち入りを防ぐためにロープが張られていました。2019年3月末時点では、ホーム上に材木が置かれていましたが、後に撤去されました。また、旧駅舎の外壁に取り付けられていた「粟屋駅」の看板や、ホーム上の駅名標は撤去されていました。駅付近の踏切（上荒瀬踏切、中荒瀬第一踏切、中荒瀬第二踏切など）は線路が切断され、アスファルトで舗装されました（線路の切断と舗装作業は2020年2月頃に実施）。

利用状況

粟屋駅の1日平均乗車人員は、最盛期と比べて減少傾向にありました。

駅周辺

粟屋駅は粟屋町内に唯一存在する駅でしたが、町の中心地は芸備線西三次駅の方が近く、粟屋駅は中心地から数キロメートル離れていました。かつて存在した芸備鉄道の粟屋駅も、現在の粟屋駅とは別の場所にあり、同様に中心地からは離れていました。

駅周辺には以下の施設があります。

国道375号：江の川の対岸を通る道路。駅付近と国道の間には橋が架かっていません。
広島県道112号三次江津線
江の川

三江線の代替路線として、以下のバス路線が運行されています（2018年4月1日現在）。

お太助バス式敷三次線（芸北タクシー、ニコニコタクシー）：粟屋停留所

その他

三江線活性化協議会により、粟屋駅には石見神楽の演目名にちなんだ「曽我兄弟」の愛称が付けられていました。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

■三江線

船佐駅 - 長谷駅（一部通過） - 粟屋駅 - 尾関山駅

粟屋駅は、三江線の廃止と共にその姿を消しましたが、かつては地域の交通を支え、人々の生活に寄り添う大切な存在でした。駅の跡地を訪れると、当時の面影を偲ぶことができます。

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