粤海線

粤海線

粤海線は、広東省湛江市の塘口駅と海南省三亜市の三亜駅を結ぶ中国鉄路の鉄道路線です。この路線は、広東省と海南省の間にある瓊州海峡を鉄道連絡船で結んでいる点が大きな特徴です。旅客列車と貨物列車の両方が、車両を連絡船に載せて海峡を渡ります。

概要

粤海線の名前は、広東省の別称である「粤」と、海南島の「海」から取られています。路線のうち、広東省側の塘口～海安南間は「湛海線」、海南島内の石碌～叉河～三亜間は「海南西環線」とも呼ばれます。

歴史

粤海線の歴史は、海南島内の石碌～叉河～八所間で始まりました。この区間は、日中戦争中に海南島を占領していた日本軍によって1940年に建設された「石八線」がルーツです。

日本軍による建設

石八線は、当初、日本国内の在来線と同じ1067mmの線路幅で建設され、日本製のC12形蒸気機関車が使用されました。日本軍の目的は、海南島の鉄鉱石を輸送することであり、3年間で300万トンもの鉄鉱石が輸送されたとされています。

戦後の改軌と延伸

戦後、石八線は中国本土と同じ1435mmの線路幅に改軌されました。改軌と並行して路線の延伸も進められ、1960年には黄流まで延伸して「安黄線」と改称。さらに1985年には三亜まで延伸され「海南西環線」となりました。この区間は、かつてSLも運行するローカル線でしたが、2003年頃まで現役でした。

鉄道連絡船の導入

1992年、広東省側の塘口～海安南間と海口～叉河間の新線建設と、瓊州海峡を渡る鉄道連絡船の計画が承認されました。この計画には、鉄道部、海南省、広東省が共同で出資し、1998年に工事が開始されました。

2002年には、塘口～海安南間が完成し、「湛海線」と命名。黎湛線、広茂線との直通運転が始まりました。2003年には、中国初の鉄道連絡船「粤海鉄1号」が就航し、貨物列車の車両輸送が開始。同年12月には、一般客の乗船と自動車航送も始まりました。2004年には、広州～湛江間の列車が海口まで延長され、客車の車両輸送も開始されました。

海南島内の改良

2004年には海口～叉河間が開通し、粤海線が全線開通しました。しかし、海口～叉河間では旅客列車の運行がなかったため、石碌～三亜間の輸送はローカル線のままでした。そこで、2005年に石碌～三亜間の改良工事が実施され、2006年には最高速度が大幅に引き上げられました。これにより、2007年には北京、上海、広州からの直通列車が運行開始し、地元メディアは「海南島民の百年の夢が実現した」と報じました。

接続路線

塘口駅：黎湛線
海口駅・三亜駅：海南東環鉄道
叉河駅：石碌線
昌感駅：八所線

運行されている主な列車

(詳細な列車名は、最新の時刻表などを参照してください)

脚注

(脚注は、必要に応じて追記します)

参考文献

須田修 『海南島へ渡る紅い特急——中国に陸海連携の「粤海鉄路」が誕生』 鉄道ジャーナル2005年9月号pp126-131

関連項目

中華人民共和国の鉄道
渤海鉄道フェリー
渡り鳥コース

外部リンク

粤海鉄路有限責任公司
首条跨海鉄10点25分順利貫通 海南島喜圓百年鉄路夢
粤海線のルートが描かれた地図
打探西環鉄路 沿途共設有12个車站
* 影像中的今昔海南：百年鉄路夢，天塹変通途


(外部リンクのURLは、必要に応じて追記します)

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