紀元前239年

紀元前239年は、ローマ暦における重要な年であり、ガイウス・マミリウス・トゥッリヌスとクィントゥス・ウァレリウス・ファルトが執政官を務めた年として記録されています。この年は、後世において西暦が普及するにつれて紀元前239年と表記されるようになりました。

この年の出来事を、様々な地域ごとに見ていきましょう。

カルタゴ

カルタゴでは、ハミルカル・バルカの傭兵の乱が激化していました。マトースとスペンディオスは、カルタゴの捕虜約700人の手足を切断し処刑するという残虐な行為を行い、傭兵たちの反乱をさらに煽りました。これにより、傭兵たちはカルタゴからの離反を決意し、事態は深刻化します。カルタゴは傭兵に包囲され、ウティカ市も反乱を起こしてカルタゴから分離しようとしました。窮地に陥ったカルタゴは、ヒエロン2世とローマに傭兵鎮圧の協力を求めますが、傭兵側はローマの仲介を拒否しました。また、この混乱に乗じてサルディニアがカルタゴに反乱を起こし、ローマがサルディニアを併合するという動きも見られました。

ギリシア

ギリシアでは、マケドニア王アンティゴノス2世が死去し、息子のデメトリオス2世が後を継ぎました。アカイア同盟は、アイトーリアを戦列に加え、アラトスの指揮のもと、アテネとアルゴスを攻撃するなど勢力を拡大しました。

セレウコス朝

セレウコス朝では、セレウコス2世の弟であるアンティオコス・ヒエラクスが、シリアに軍を送りました。表向きはセレウコス2世の支援のためでしたが、実際には帝国併合を企んでいたのです。セレウコス2世は、エジプトとの講和を終えると、ただちにアナトリアを攻撃し、兄弟間の戦争が勃発しました。

ペルシア

ペルシアでは、ディオドトス1世がパルティア軍を破るも、間もなく死去しました。その後を継いだのは息子のディオドトス2世でした。

中国

中国では、秦の王弟である長安君成蟜が、趙を攻撃中に屯留で反乱を起こして死去しました。また、嫪毐が長信侯に封ぜられ、広大な領地を与えられました。さらに、魏が趙に鄴を割譲し、韓では桓恵王が亡くなり、息子の韓王安が即位しました。

その他の出来事

この年には、ラテン語の詩人であり「ローマ詩の父」と称されるクイントゥス・エンニウスが誕生しました。また、マケドニア王アンティゴノス2世や、グレコ・バクトリア王国の王ディオドトス1世、秦の王弟である成蟜、韓の桓恵王などが亡くなりました。

紀元前239年は、各地域で政治的変動や戦争が頻発した、激動の年であったと言えるでしょう。

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