紀元前280年

紀元前280年の出来事

紀元前280年は、ローマ暦における年で、当時のローマでは「ラエヴィヌスとコルンカニウスが執政官の年」と呼ばれていました。この年号は、キリスト紀元が一般化した中世以降に用いられるようになりました。

各地の紀年法

この年には、様々な地域で異なる紀年法が用いられていました。

干支: 辛巳（かのとみ）
日本:
皇紀381年
孝霊天皇11年
中国:
周 - 赧王35年
秦 - 昭襄王27年
楚 - 頃襄王19年
斉 - 襄王4年
燕 - 昭王32年
趙 - 恵文王19年
魏 - 昭王16年
韓 - 釐王16年
朝鮮: 檀紀2054年
仏滅紀元: 265年

主要な出来事

セレウコス朝

アンティオコス1世は、長男のセレウコスを東部の王に任命しましたが、その無能さが判明しました。
アンティオコス1世は、父の仇であるマケドニア王プトレマイオス・ケラウノスとの和平を余儀なくされ、マケドニアとトラキアを支配する計画は頓挫しました。
ビテュニア王ニコメデス1世は、父ジポイテス1世からのアンティオコスの侵攻に脅かされましたが、アンティオコスは戦闘を避け撤退しました。
アンティオコスは、カッパドキアを支配するペルシア系王朝を影響下に置くことに失敗しました。
アンティオコスは、第一次シリア戦争でエジプトのプトレマイオス2世に敗北しました。

ギリシア

ピュロスは、マケドニア王プトレマイオス・ケラウノスと同盟を結び、イタリア遠征（ピュロス戦争）が可能となりました。
アカイア同盟が、ペロポネソス半島北部の12のポリスによって再結成されました。この同盟は、後に非アカイア国家も含む拡大を見せ、2名のストラテゴス、連邦会議、自由市民による年会を持ち、共通の貨幣、外交政策、軍事協力を実現しました。
ロドスは栄華を極め、島嶼同盟の長としてエーゲ海の平和を支えました。
ロドス島の巨像が、彫刻家カレスによって12年をかけて完成し、古代世界の七不思議の一つとなりました。この巨像は、太陽神ヘーリオスを象った高さ約34メートルの巨大な像でした。

共和政ローマ

タラスからの要請に応じ、ピュロスが2万を超える軍を率いてローマと対決するピュロス戦争が始まりました。ヘラクレアの戦いでは、ピュロスは執政官ラエヴィヌス率いるローマ軍を破りました。戦象の巧みな使用が勝利に大きく貢献しました。ルカニア人、ブルティウム人、メサピ人、クロトン、ロクリといった都市や部族もピュロス軍に加わりました。
ローマの司令官ガイウス・ファブリキウス・ルスキヌスは、捕虜交換交渉に派遣され、ピュロスが贈賄を拒否した彼に感銘を受け、身代金なしで捕虜を解放しました。この勝利により、ピュロスはラティウムまで進軍しました。

中国

秦の白起が趙を破り、2万人を斬首し、代の光狼城を奪いました。
秦の司馬錯が、隴西の兵を率いて蜀から楚の黔中を攻撃し、これを陥落させました。楚は漢北と上庸の地を秦に割譲しました。
秦で赦令が下され、罪人が南陽に移されました。

天文学

サモスのアリスタルコスが、月の上を通過する地球の影の大きさから、月の直径が地球の3分の1であると推定しました。また、彼は最初に太陽中心説的な見解を提案しましたが、当時の人々には受け入れられませんでした。

誕生

ビザンティウムのフィロン（推定）: 古代ギリシアの数学者、旅行家、機械技術者
李斯（推定）: 秦の宰相、法家の思想家

死去

ヘロフィロス: 古代ギリシアのアレクサンドリアの医学者、解剖学の父
ファレーロンのデメトリウス: アテネの雄弁家、政治家、哲学者

関連項目

年の一覧
年表
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