紀元前479年

紀元前479年：古代世界の出来事

紀元前479年は、古代世界において激動の年でした。ギリシア世界ではペルシア戦争の終結、中国では諸侯国間の紛争が大きな出来事として挙げられます。この年は、西暦紀元法が広く普及する以前の時代であり、様々な地域で独自の紀年法が使われていました。例えば、ローマでは執政官の氏名で年を記録していましたが、今日では紀元前479年として広く認識されています。

ギリシア：ペルシア戦争の終結

紀元前479年のギリシアにおいて、最も重要な出来事はプラタイアの戦いでした。ペルシア帝国の将軍マルドニオスは、テッサリアを拠点にギリシア侵攻を企て、アテナイを攻撃しました。アテナイ市民は一時退却を余儀なくされ、街は破壊されましたが、スパルタ軍が支援のため北上しました。

8月27日、ボイオーティア地方のプラタイアにて、ギリシア連合軍とペルシア軍が激突しました。この戦いは、ギリシア軍の勝利に終わり、マルドニオス将軍も戦死しました。この勝利は、ペルシア戦争におけるギリシアの決定的な勝利であり、ペルシアのギリシアへの脅威をほぼ完全に排除しました。スパルタ軍を率いたのは、レオニダス1世の甥であるパウサニアスであり、アテナイ軍を率いたのはアリステイデスでした。ギリシア軍は莫大な戦利品を獲得し、間もなくテーバイも陥落、ペルシアと通じていたテーバイの人々は処刑されました。

プラタイアの戦いの勝利は、ギリシアの独立と自由を確保する上で極めて重要な意味を持ちました。また、この勝利によって、ギリシア世界におけるスパルタとアテナイの覇権争いが本格化することとなります。

一方、ポティダイアでは大津波が発生し、甚大な被害が出ました。

中国：諸侯国の動乱

中国では、衛、楚などの諸侯国で内紛が勃発しました。衛では荘公が戚から衛に入国し、出公が魯に亡命、孔悝は宋に亡命しました。楚では白公勝の乱が起こり、子閭を楚王に擁立しようとした白公勝は、子閭の拒否の後、沈諸梁（葉公子高）によって鎮圧され、自決しました。これらの出来事は、春秋時代の中国において、諸侯国間の勢力争いが激しかったことを示しています。

その他の出来事

この年は、様々な地域で独自の紀年法が使われていました。干支では壬戌、日本は皇紀182年、懿徳天皇32年、中国では周、魯、斉、晋、秦、楚、宋、衛、陳、蔡、鄭、燕、呉など、それぞれの国で異なる年号が用いられていました。朝鮮では檀紀1855年、ベトナムでは仏滅紀元66年、ユダヤ暦では3282年から3283年となります。

まとめ

紀元前479年は、ペルシア戦争の終結というギリシアにとって歴史的な転換点となる出来事と、中国における諸侯国間の内紛という、古代世界における重要な出来事が同時多発的に発生した年でした。これらの出来事は、古代世界の政治情勢、軍事力、文化、そして人々の生活に大きな影響を与えたと考えられます。各地域で異なる紀年法が用いられていたことも、この時代の複雑さを反映しています。

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