紀広庭

紀広庭の生涯と業績

紀広庭（きのひろにわ）は、奈良時代の公卿で、中納言・紀麻路の子として知られています。彼の政治・官職に関する活躍は、平安時代初期における日本の政治の一端を担った重要な人物として評価されています。彼は従四位下・参議という官位に就いており、数々の官職を歴任しました。

経歴の始まり

紀広庭は天平宝字8年（764年）に藤原仲麻呂の乱に参加し、その功績により従五位下に叙せられました。同年に上総介として任命され、彼の政治活動が本格的に始まります。上総介としての任務を経て、勅旨少輔や河内介といった重要な官職を歴任し、成長していきました。

特に神護景雲3年（769年）における道鏡を伴った行幸の際には、由義宮への出仕が求められました。その後、河内介在任中に河内国が河内職に改編されると、彼はその亮に任ぜられ、従五位上に昇叙されました。このようにして、紀広庭は地位を確立していきました。

政治への貢献

神護景雲4年（770年）には、造由義大宮司次官に就任し、同年の8月には河内守に任命されます。これらの役割を通じて、彼は天皇に近い存在として政治に影響を及ぼしていました。光仁朝に入ると、その昇進はさらに続き、宝亀2年（771年）には正五位下、宝亀4年（773年）には従四位下に昇進し、さらには宝亀6年（775年）に参議という高官職に就任しました。

この間、河内守や兵部大輔といった重職も歴任し、彼の政治的な能力や信頼は高まりました。彼は貴族社会においても影響力のある存在となり、周囲からの支持を得ていました。

晩年と最期

紀広庭の生涯はほぼ宝亀8年（777年）6月12日に幕を閉じます。彼の最終的な官位は参議従四位下美濃守でした。このように、彼は奈良時代の公卿として、さまざまな官職を歴任し、当時の政治において重要な役割を果たしました。

彼の死後も、紀広庭の政治的手腕は後世の多くの公卿たちに影響を与え、彼の業績は日本の歴史の中で語り継がれています。紀広庭は、奈良時代の公卿としての一面だけでなく、その生涯を通じて日本の歴史の一翼を担った人物と言えるでしょう。

参考文献

• - 宇治谷孟『続日本紀 （下）』講談社学術文庫、1992年
• - 『公卿補任 第一篇』吉川弘文館、1982年

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