紀白麻呂

紀白麻呂について



紀白麻呂（き の しろまろ）は、奈良時代における重要な貴族の一人で、その名は時に白満とも表記されていました。彼は官位としては従五位上や春宮亮を務め、多岐にわたる役職に就いていました。

経歴の概要


白麻呂の活躍は宝亀10年（779年）から始まります。この年の正月、彼は従五位下の位に叙せられ、同年の11月には造東大寺次官に就任しました。これが彼の公的な活動のスタート地点とも言えるでしょう。

翌年の宝亀11年（780年）には因幡介へ転任となり、その後も順調に昇進を続けました。天応元年（781年）、桓武天皇が即位すると白麻呂は春宮亮に任命され、早良親王に仕える立場に就きます。この役職は、彼が政権内で重要な位置を占めることを示しています。

白麻呂はその後、延暦3年（784年）には従五位上に昇叙され、さらに名声を高めました。しかし、彼のキャリアはここで一変します。延暦4年（785年）に発生した藤原種継の暗殺事件により、彼は巻き込まれてしまいます。事件の直前まで春宮大夫として活躍していた大伴家持や、他の官人たちと共に連座し、隠岐国への流罪となってしまいました。

流罪の期間中、白麻呂の人生には多くの試練があったことでしょうが、彼はその後の延暦25年（806年）に桓武天皇が重態となる中で恩赦を受けます。この際、藤原種継暗殺事件に関して罰せられていた者たちが復位の機会を得ることとなり、白麻呂も正五位上の贈位を受けました。これは彼の名誉回復とさらなる評価を意味しています。

官歴について


白麻呂の官歴は「六国史」にも記されています。彼の正式な記録は以下の通りです:

系譜について


紀白麻呂の家系については詳細がわかっていませんが、父母の情報は不詳であり、彼の子供に関する情報としては紀椿守（776-853）という男子が知られています。

参考文献


本記事の情報は以下の文献に基づいています。

紀白麻呂は、奈良時代の貴族社会において、複雑な政局の中でその名を刻んだ人物です。彼の人生や功績は今も多くの歴史愛好者の関心を引き続けています。

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