紫安新九郎

紫安 新九郎（むらやす しんくろう）

紫安新九郎は1873年8月17日に兵庫県城崎郡田鶴野村（現在の豊岡市）で生まれました。彼は、政治家としての長いキャリアを有しており、衆議院議員として9回の当選を果たした他、ジャーナリストとしても活動していました。彼の号は「蘇山」で、様々な分野での貢献が評価されています。

学歴と初期のキャリア

新九郎は、1897年に東京専門学校（現在の早稲田大学）に入学し、その在学中に雑誌『二十世紀』を創刊しました。1900年に同校を卒業後、博文館の編集局に入職し、以後は新聞社で主筆として活躍しました。特に、鎮西日報では主筆の要職を担い、それから萬朝報でも執筆活動を行いました。これらの経験は彼のジャーナリズムの基盤を築くものとなりました。

その後、1907年には大阪市役所に転職し、商工課長に就任。その後、南区長に異動し、地方行政にも関与することとなります。これらの経験は、地方と国政においての彼の視野を広げることに繋がりました。

政治活動の軌跡

新九郎の政治キャリアは、1912年に第11回衆議院議員総選挙に当選したことから本格化します。彼は、立憲国民党から始まり、公友倶楽部、憲政会、立憲民政党と政党を渡り歩き、その後は翼賛議員同盟、翼賛政治会、日本自由党などにも関与しました。彼はまた、大蔵副参政官や拓務政務次官などの要職を歴任し、政府内での影響力を持つ存在となりました。

戦後の公職追放

しかし、戦後には大政翼賛会から推薦された議員であったため、公職追放の憂き目に遭いました。これにより、政治から一時的に離れることとなりましたが、彼の業績は後に評価されることとなります。

企業活動と晩年

政治活動以外にも、紫安新九郎は出羽石油株式会社や城東土地株式会社の取締役としても活躍していました。そのため、政界のみならず、経済界においても彼の存在感は大きかったと言えます。彼の晩年においても、その影響は残り続けました。

新九郎は1952年7月8日に亡くなりましたが、その足跡は日本の政治史において忘れられないものとなっています。彼の多岐にわたる経験と活躍は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

参考文献

• - 清田伊平編『御大典記念 日本ダイレクトリー』甲寅通信社、1915年。
• - 細井肇『現代日本の政治家』国光社、1916年。
• - 『衆議院要覧（乙）昭和十二年十一月』衆議院事務局、1937年。
• - 『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年。

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