細島港

細島港：歴史と国際性を併せ持つ宮崎の拠点港湾

宮崎県日向市に位置する細島港は、古くから栄え、現代においても国際的な貿易拠点として重要な役割を担う港湾です。商業港としての歴史と、近代的な工業港の整備を融合させた独自の特性を持ち、地域経済の活性化に大きく貢献しています。

歴史とロケーション

細島港は、日向市大字細島、竹島町、船場町、大字日知屋周辺に広がり、宮崎県によって管理されています。港湾法上の重要港湾（重点港湾）かつ港則法上の特定港に指定されており、防災拠点港としての役割も担っています。

東に開けた入り江の奥に位置する商業港は、南北に伸びる半島に囲まれた自然の良港です。この地には古くから港があり、その歴史は古事記にも記される神武天皇の東征にまで遡るとする説もあります。鉾島神社の縁起書には、天皇が細島に立ち寄り鉾を祀ったとの記述があり、港の名称もこの鉾島に由来するなど、歴史的な背景が深く刻まれています。

美々津港とともに、大隅・薩摩方面と瀬戸内海を結ぶ中継地として栄え、日明貿易やポルトガル船も利用したと言われています。倭寇もたびたび利用したとされ、1933年には洪武通宝が発掘されるなど、活気あふれる国際交易の拠点であったことが伺えます。足利義昭の使者や、関ヶ原の戦い後に薩摩へ敗走した島津義弘もこの港を利用したという記録も残されています。

江戸時代初期は延岡藩の管理下でしたが、のちに幕府の直轄領となり、参勤交代の大名たちが利用する重要な港として機能しました。港の入口には番所が設置され、灯台も設置されていたことから、航海の安全確保にも力を入れていたことがわかります。

明治時代には、ヨハニス・デ・レーケの指導の下で近代化工事が進められ、験潮場や西洋式の灯台が建設されました。捕鯨基地としても利用され、日豊本線の支線である細島線の開通により、東九州における主要な輸送拠点としての地位を確立しました。

第二次世界大戦中には、軍需産業の拠点として、三菱石油富島工場や九州造船日向工場の建設が計画されましたが、空襲や戦況によって完成には至りませんでした。戦後、商業港の整備が進められ、1951年には重要港湾に指定されました。

1950年代以降は、竹島築港（現在の工業港）の建設が推進され、1964年には約150haの工業用地が造成されました。これは日向・延岡地域が新産業都市に指定される大きな要因となり、工場の進出や神戸航路の開設など、港湾の整備は更なる発展を遂げました。現在では旅客フェリーは運航していませんが、コンテナ船を中心とした国際貿易拠点として、その重要性を増しています。2010年には重点港湾に指定され、2015年には4万トン級の大型船に対応できる国際物流ターミナルが完成しました。

国際コンテナターミナル

細島港の大きな特徴の一つに、国際コンテナターミナルの存在があります。韓国や台湾との定期コンテナ航路が開設されており、多くの貨物がこの港を通じて輸出入されています。

韓国航路: 釜山港、馬山港、下関港、大分港などを結ぶ航路が複数存在し、定期的な貨物輸送を支えています。

台湾航路: 基隆港、高雄港、マニラ港などを経由する航路は、アジア諸国との貿易を促進する重要な役割を担っています。

みなとオアシス

細島港周辺は2017年に「みなとオアシスほそしま」として登録され、海の駅ほそしまを代表施設とする地域づくり拠点となっています。港の活性化と地域社会の発展に貢献しています。

今後の展望

細島港は、歴史と近代性を融合させた、宮崎県を代表する国際港湾です。今後も国際貿易の拠点として、地域経済の活性化に貢献していくことでしょう。大型船に対応できる国際物流ターミナルの完成により、更なる発展が期待されます。

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