細川護久

細川護久について

細川護久（ほそかわ もりひさ）は、明治時代前期の華族・政治家であり、肥後国熊本藩の第2代知藩事を務めた人物です。彼はまた貴族院の議員としても知られています。その地位に応じて、従二位勲二等侯爵という爵位も持っていました。

幼少期と家族

護久は天保10年（1839年）3月1日に、10代藩主である細川斉護の三男として生まれました。幼名は義之助（よしのすけ）であり、後に父から一字を受けて護久と名乗るようになります。家族の中では、藩主を継いでいた次兄・慶順の代わりに国事に関与していました。

幕末の活躍

文久3年（1863年）に上洛し、実弟の長岡護美と共に国事に尽力しました。幕末の動乱期には、福井藩主・松平慶永や会津藩主・松平容保と共に公武合体のために活動し、藩主・慶順に代わって朝廷との交渉も行いました。

慶応2年（1866年）には、兄の世子になり、1857年に徳川慶喜が将軍に任命される際には藩主の慣例に則り、「喜廷」と名付けられました。しかしその後の慶応3年（1867年）には、新政府寄りの姿勢を持ち始めました。

明治政府における役割

慶応4年（1868年）の鳥羽・伏見の戦いでは、危険を冒しながら御所を護衛しました。その後、新政府より議定、刑法事務総督に任命され、同年4月には護久と名を戻しました。明治2年（1869年）には参与に任命されたものの、健康を理由に辞職しました。

明治3年（1870年）には、兄が隠居し、護久が藩知事に就任しました。彼は雑税廃止や熊本城の破毀、藩議院設置といった進歩的な政策を推進しました。また、新政府に廃藩を提言し、明治4年（1871年）の廃藩置県では免官されました。

その後、白川県（現在の熊本県）の知事として勤務し、明治10年（1877年）の西南戦争では旧藩士の動揺を鎮め、被災者の支援に尽力したとも伝えられています。

侯爵位とその後

1884年に華族令が施行され、侯爵に叙されました。1890年には貴族院議員にも就任しました。彼は数多くの栄典を受け、明治26年（1893年）に亡くなるまで政治と社会に貢献しました。享年55。

細川護久の家族には、長男の護成と四男の護立がおり、細川侯爵家の家督は長男から四男へと受け継がれました。彼の影響は熊本藩にとどまらず、明治維新という歴史的な変革の中で深く刻まれています。

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