細田徳寿

細田徳寿：大分県政を担った知事

細田徳寿（ほそだ とくじ）は、1904年8月5日に茨城県水戸市で生まれ、1991年3月25日に86歳で亡くなった政治家です。大分県知事を計3期務め、戦後の大分県政において重要な役割を果たしました。

生い立ちとキャリア

細田は、旧制水戸中学校（現在の水戸第一高校）、旧制水戸高等学校を経て、東京帝国大学法科政治学科を卒業しました。1928年に内務省に入省し、厚生省医務課長、警視庁保安衛生部長、陸軍司政官、内務省河川課長、内閣総理大臣秘書官などを歴任しました。これらの経験を通じて、行政手腕を磨き、政治家としての基礎を築きました。

大分県知事として

1945年10月27日、細田は大分県知事に任命されました。当初は官選知事でしたが、1947年3月14日に地方自治法施行に伴う県知事選挙に出馬するため辞職しました。選挙までの間、和久田鉄雄が短期間、第38代県知事を務めました。同年4月5日に行われた選挙で、細田は日本社会党公認の安田幹太ら複数の候補者を破り、初の公選知事となりました。その後、2期8年にわたり県知事を務めましたが、1955年の県知事選挙では革新統一候補の木下郁に敗れました。

大分県知事時代の主な業績

細田県政の特筆すべき点は、大野川の治水事業です。度重なる氾濫に悩まされていた大野川の治水事業に尽力し、大野川発電所の建設や昭和井路の開通を実現しました。これらのインフラ整備は、後の大分臨海工業地帯造成に大きく貢献したと評価されています。

県知事退任後

県知事退任後、細田は出身地の茨城県に戻り、1959年の茨城県知事選への出馬を検討しました。しかし、徳川宗敬（元参議院議員）や大内竹之助（茨城相互銀行会長）らが候補者として擁立される動きもあり、保守系が乱立する様相となりました。最終的に、自民党総裁の岸信介の裁定で現職の友末洋治が自民党公認で出馬し、細田と大内は立候補を辞退しました。結果として、友末は日本社会党推薦の岩上二郎に敗れました。その後、細田は1963年の水戸市長選にも出馬しましたが、現職の山本敏雄に敗れ、政界から引退しました。

その後

政界引退後は、日本体育大学の教員、厚生省社会審査委員会委員、日本住宅公団管理委員会委員、全国防災協会副会長などを歴任しました。これらの役職を通して、教育や社会福祉、防災分野に貢献しました。

死去

細田徳寿は、1991年3月25日に86歳で亡くなりました。その生涯は、地方自治の確立と地域の発展に尽くした政治家として、記憶されています。

外部リンク

細田徳寿（ほそだとくじゅ）官選知事から初の民選知事へ - 大分歴史事典

もう一度検索