細谷喜一

細谷喜一（ほそや きいち）

細谷喜一は、1904年（明治37年）4月23日に生まれ、1980年（昭和55年）11月3日に亡くなった日本の内務官僚です。群馬県出身で、内閣官房副長官を務めた人物として知られています。

生い立ちと学歴

細谷喜一は、細谷信次郎の長男として生まれました。旧制群馬県立前橋中学校（現在の群馬県立前橋高等学校）を経て、第一高等学校を卒業。1931年10月には高等試験行政科試験に合格し、1932年3月に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、細谷は内務省に入省し、警視庁警部補としてキャリアをスタートさせました。その後、警視庁警務課教養係長、大塚警察署長、渋谷警察署長などの要職を歴任。地方では、静岡県警察部刑事課長、岡山県警察部特別高等警察課長などを務めました。戦時中は、興亜院事務官として政務部第三課に勤務しました。警視庁に戻ってからは、警視・労働課長、兼警視庁事務官・調停官を務め、地方では京都府警察部特別高等警察課長、千葉県官房長などを歴任しました。さらに、四国地方総監府副参事官、香川県部長・警察部長などの要職を歴任するなど、警察官僚として幅広い分野で活躍しました。

戦後の活動

1945年10月13日に休職となり、その後退官。戦後は、公営交通事業協会事務局長、新生活運動協会事務局長などを務めました。その後、大平正芳官房長官からの要請を受け、内閣官房副長官に就任。1960年12月から1964年7月まで、第2次池田内閣と第3次池田内閣において、政府を支える重要な役割を果たしました。

文化人としての側面

細谷は、茶道にも造詣が深く、以下の著作を残しています。

『茶心』（福村書店、1949年）
『茶の湯の人々』（明徳出版社、1955年）

これらの著作は、細谷の文化的な側面を示すとともに、当時の社会や文化に対する深い洞察を伝えています。

親族

妻は、石黒英彦の長女である細谷照子です。

まとめ

細谷喜一は、内務官僚として戦前・戦中・戦後という激動の時代を生き抜き、警察官僚、そして内閣官房副長官として、日本の発展に貢献した人物です。また、文化人として茶道にも深く関わり、その精神性を伝えた人物でもあります。彼の生涯は、日本の近代史における重要な一断面を映し出しており、多岐にわたる活動は、後世に多くの示唆を与えています。

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