統一獄中者組合

統一獄中者組合とは

統一獄中者組合（とういつごくちゅうしゃくみあい）は、日本の刑務所に収監されている受刑者たちによって構成された組織であり、国内唯一の囚人組織として知られています。この組合は、受刑者の権利を守り、処遇改善を目指して活動してきました。

歴史的背景

明治時代以降、日本の刑務所では「囚人自治」が認められていないことが特徴です。この背景には、江戸時代の伝馬町牢屋敷で見られたように、受刑者の代表者が牢獄を管理することで、結果的に受刑者の生活環境が悪化したという反省があります。この反省が、受刑者の運営権を抑える要因となっています。

1970年代になると、新左翼活動家が多数収監されるようになり、彼らの影響を受けて各地の刑務所で「受刑者の処遇改善」を求める動きが活発化しました。このような中で、受刑者の権利を求める声が高まり、1974年に「獄中者組合」の結成が実現しました。その後、外部の弁護士たちと連携しながら活動を行い、1985年には「統一獄中者組合」として再統一されました。

主な人物

統一獄中者組合には、若宮正則、泉水博、仁平映、塩見孝也、袴田巌などの著名なメンバーが在籍していました。特に泉水博は、新左翼活動家ではなく一般の刑事犯として扱われながらも、彼の獄中での戦いが高く評価され、日本赤軍による釈放要求リストに名を連ねることになりました。その後、ダッカ日航機ハイジャック事件を契機に超法規的措置での釈放が実現しました。

また、1970年代後半から1990年代には「統一獄中者組合出版部」も設立され、連合赤軍の植垣康博や東アジア反日武装戦線の片岡利明の著書が出版されるなど、文化活動も盛んに行われました。

組織の意義と方向転換

監獄人権センター代表の海渡雄一氏は、統一獄中者組合の意義を「政治犯が中心に結成されたが、一般の刑事犯とも関わりながら、社会復帰を模索する場を提供していた」と語っています。彼らは時には「監獄解体」というスローガンの下で活動していましたが、後には人権を基にしたアプローチへ方向をシフトしました。

2010年代に入ると、事務局員の高齢化が進み、組織は事実上解散を迎えました。刑務所内での具体的な政治活動は許可されていないため、事務局員は獄外にて活動を展開していました。

最後に

統一獄中者組合は、受刑者の権利を守るために、多くの困難を乗り越えて存在し続けてきた組織です。彼らの活動は、社会における受刑者の位置づけや人権意識の向上に寄与したと言えるでしょう。

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