続古事談

『続古事談』について

『続古事談』（ぞくこじだん）は、鎌倉時代の初期に成立した説話集で、その内容は多様な物語や教訓から構成されています。編纂者は不詳とされていますが、跋文によると建保7年（1219年、同年の承久と改元）4月23日に成立したとされています。全体は6巻から成りますが、現存する資料の中では巻3が欠けています。その中には185話の物語が収められています。

構成と内容

本書の構成は、前の『古事談』を範としつつ、6つの異なるテーマに分けられています。具体的には「王道」、「后宮」、「臣節」、「神社仏寺」、「諸道」、そして「漢朝」の巻が存在します。ただし、巻になっていたはずの内容の中で、特に「僧行」や「勇士」といった部分は現在欠巻となっており、詳細は不明です。

特徴的なのは、「漢朝」の部です。このセクションでは、中国の古典や史書から引用が行われており、前の『古事談』には見られない新たな情報を提供しています。

収められた説話や伝承の多くは、『中右記』、『長秋記』、『中外抄』、『富家語』など、複数の出典に基づいています。これらは日記や故実書を基にしており、『古事談』と似た形式を持っていますが、文体は和文（仮名書き）で書かれています。このことから、読む人に儒教的な教訓性を伝えることを意図しています。

歴史的背景と意義

『続古事談』が成立した時期は、承久の乱前夜にあたります。この時代は古い traditions を重んじる傾向が強く、また末代思想が影響を及ぼしていました。そのため、本書では理想的な帝王の姿が描かれ、特に後鳥羽院に対する諫言の要素が含まれています。これは、当時の権力者に対する批判や提言を内包していると考えられます。

出典と注解書

『続古事談』に対する注釈書もいくつか存在しており、特に和泉書院の『続古事談 注解』は詳細な注釈書として評価されています。ほかにも、播摩光寿や小林保治らによる校注本や、岩波書店から刊行された『新日本古典文学大系』もあり、これらは本書を深く理解するための重要な資料とされています。

外部リンク

さらに詳しい研究も行われており、志村有弘による論文などが存在します。このように、『続古事談』はその内容と歴史的な背景から、日本の文学史において重要な位置を占める作品であると言えるでしょう。

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