維新の嵐
『維新の嵐』は、
1988年6月に光栄(現
コーエーテクモゲームス)から発売されたPC-9801用リコエイションゲームです。このゲームは、
シミュレーションゲームとロールプレイングゲームの要素を融合させた独自のジャンル「リコエイションゲーム」の第一作として、その後のシリーズ展開の基礎を築きました。
ゲーム概要
ストーリー
プレイヤーは、
幕末に実在した人物の一人となり、日本全国の思想的な統一を目指します。それぞれの人物が抱く思想(尊王、公議、佐幕)に基づき、自らの理想とする
明治維新を達成することが目的です。
開発体制
開発は光栄自身が行い、
プロデューサーは
シブサワ・コウ氏が担当しました。音楽は、『三國志』や『
信長の野望・全国版』を手掛けた
菅野よう子氏と、『
信長の野望・戦国群雄伝』の山本光男氏が担当しています。
移植とリメイク
1989年には、PC-8801、FM77AV、
MSX2、X1に移植され、
1990年にはFM-TOWNS、
X68000、
ファミリーコンピュータにも展開されました。1997年には
セガサターンとPlayStationでリメイク版が発売され、幅広いプラットフォームで楽しまれました。
ゲームシステム
基本ルール
ゲームは、プレイヤーが選択した
幕末の人物を操作し、全国各地を移動しながら、説得や武力によって他の勢力の思想を自勢力のものに統一していくことを目指します。
行動制限
各コマンド(移動、攻撃、説得など)には時間制限があり、行動が遅れると次のターンに移行します。1日に4回(朝、昼、夕、夜)まで行動可能です。
マップ
マップは日本全国を地方ごとに分け、さらにエリアごとに細分化されています。移動には、「駕籠屋」や「港」を利用することで、エリアを飛び越えたり、地方を移動したりすることができます。
名所
各地の名所(
五稜郭、
松島、鶴ヶ城など)を通過すると、美しいグラフィックが表示されます。
その他の要素
- - 都市マップ内の風呂屋では、女湯を覗くことができます。
- - 各地の鉱山で鉱夫として働き、資金を稼ぐことができます。
- - 時折、身に覚えのない女性から「父の仇」として襲撃されることがあります。
- - 山賊に襲われている女性を助けるイベントが発生することがあります。
- - 特定の施設(寺院、賭場、遊郭)で、富くじや賭博、花魁との出会いを楽しむことができます。
- - 山道では土砂崩れに遭遇し、体力が減少することがあります。
思想統一
ゲームの目標は、13の雄藩の国体思想(尊王、公議、佐幕)を自勢力のものに統一することです。思想によって、最終的な目的は異なります。
- - 佐幕思想:全雄藩を統一し、天皇に面会
- - 尊王思想:全雄藩を統一し、将軍に面会
- - 公議思想:全雄藩を統一し、天皇と将軍に面会
説得システム
説得は、「賄賂」「脅迫」「理論」「威圧」「本音」といった手段を使い、相手の性格や状況に合わせて有効な方法を選択する必要があります。説得時には、スペースキーやリターンキーの連打で「気合」を溜め、一方的に説得できる時間を作り出す要素があります。
ユーザー要人
他の要人を説得し、信頼度を80以上にすることで「ユーザー要人」とし、プレイヤーが操作できるようになります。
戦闘システム
要人同士の戦闘は、2D剣撃アクションゲーム形式で、「面」「突き」「胴」の3種類の攻撃方法があります。
能力鍛錬
プレイヤー要人やユーザー要人は、各施設で武力、
剣道値、学力、体力、魅力といった能力を鍛錬することができます。
藩政
藩主を心服させると、その藩の藩政を行うことができます。内政(開墾、治水、訓練、編成)や部隊の操作が可能となります。
マップ構成
マップは、道、草原、田んぼ、山などの地形や、城、屋敷、民家、商店、風呂屋、宿屋、遊郭、寺、神社、洋館、賭博場、奉行所、新撰組屯所、海軍所、皇居、藩校、村、鉱山など、さまざまな施設で構成されています。
登場人物
プレイヤーが選択できる主人公は、佐幕派、公議派、尊王派に分かれ、それぞれ異なる目標を持っています。
坂本龍馬は、海援隊を結成することが可能です。
登場ユニット
マップには、要人、武士、志士、農民、町人、女、僧侶、学者、外人、同心、公家などのユニットが登場し、それぞれ異なる役割を持っています。
他機種版
PC-8801版以降
PC-8801版以降では、ゲームシステムやシナリオ、パラメータなどがPC-9801版と異なっています。
- - 国外思想がさらに細分化され、要人の目的が変化する。
- - 「レベル」が「先進性」と「身分」に分離される。
- - 藩政実行は1ヶ月に1回のみとなる。
- - 説得アクションがコマンド選択式に変更。
- - チャンバラアクションがコマンド選択式に変更。
シナリオ
PC-88版以降のシナリオは、以下の2つです。
- - シナリオ1:新時代の幕開け
- - シナリオ2:明治維新の戦乱
評価
ファミリーコンピュータ版、
セガサターン版、PlayStation版など、さまざまなプラットフォームで発売され、多くのゲームファンに楽しまれました。
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