綾川

綾川（あやがわ）

香川県の中央部を流れる綾川は、県内で最も長い二級河川です。讃岐山脈の最高峰である竜王山の北麓付近を源流とし、西へ流れた後、北へと向きを変え、最終的には瀬戸内海へと注ぎます。

地理

綾川は、高松市塩江町安原下付近に端を発し、西へと流れた後、長柄池を経て田万川と合流します。その後、おおむね北西へと流れを変え、綾川町北部から坂出市にかけて府中湖が広がります。坂出市街の東部をかすめ、坂出市林田町と江尻町の境界から瀬戸内海へと流れ込みます。

流域の多くは花崗岩で構成されており、その岩盤が美しい景観を作り出しています。また、長柄池には長柄ダムが、府中湖には府中ダムが建設されており、治水とともに、長柄ダムは灌漑用水と生活用水を、府中ダムは工業用水を供給する重要な役割を担っています。

滝宮付近では、かつて大束川の上流を奪った河川争奪の痕跡が見られます。また、2006年には上中流域の綾上町と綾南町が合併し、川の名前にちなんで綾川町が誕生しました。この合併は、警察署の管轄変更にも影響を与え、綾南警察署が高松西警察署に統合されました。

流域の自治体

綾川の流域には、以下の自治体が含まれます。

香川県：高松市、綾歌郡綾川町、坂出市

柏原渓谷

綾川の上流部には、前山と笠形山の間、約7kmにわたる柏原渓谷が広がっています。この渓谷は、かつてカシワの木が多かったことに由来しており、林野庁によって水源の森百選に、また香川のみどり百選にも選定されています。花崗岩が浸食された奇岩が織りなす渓谷美は圧巻で、春にはツツジ、秋にはモミジが流れを彩ります。

渓谷内には「柏原渓谷キャンプ村TaTuTaの森」が整備されているほか、清流を利用したアユの養殖も行われています。上流には、弘法大師が88体の石仏を建立したという伝説が残る弘法庵があります。

アクセスには、香川県道39号線または国道193号線から分岐する香川県道167号線を利用します。

利水施設

綾川には、以下の利水施設があります。

長柄ダム（長柄池）：香川県綾歌郡綾川町
府中ダム（府中湖）：香川県坂出市

主な橋梁

綾川には、多くの橋梁が架かっています。

主な支流

綾川には、以下の支流があります。

西長柄川
田万川
竹本川
堂谷川
梶羽川
今滝川
富川

滝宮公園

滝宮公園は、綾川町滝宮にある自然公園です。かつて金毘羅街道の宿場町として栄えた滝宮の綾川河畔に位置しています。1966年の府中ダム完成により渓流の一部が水没しましたが、1968年に景勝地として新さぬき百景に、1995年には香川新50景に選ばれました。

公園内は桜の名所として知られ、多くの花見客が訪れるほか、釣りスポットとしても人気があります。綾川の両岸には休憩所が設置され、近年復元された「綾川の滝」も見どころです。公園のシンボルである朱色の滝川橋付近では、春になるとこいのぼりが泳ぐ姿が見られます。

東隣には菅原道真ゆかりの滝宮天満宮や、国指定重要文化財の十一面観音立像がある滝宮神社、西隣には道の駅滝宮うどん会館があります。公園の南側には、土木学会選奨土木遺産の滝宮橋が架かっています。

公園へのアクセスは、高松琴平電気鉄道滝宮駅から徒歩5分、または香川県道282号線沿いにあります。

流域の観光地

綾川の流域には、以下の観光地があります。

滝宮天満宮
道の駅滝宮
さぬき空港公園
高山航空公園

並行する交通

綾川に並行する主な道路は以下の通りです。

国道377号（綾川町山田～羽床下）
香川県道184号綾川府中線（綾川町滝宮～坂出市府中町）
香川県道33号高松善通寺線（坂出市府中町～西庄町）

関連情報

讃岐平野
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