織田信倉

織田信倉（おだ のぶくら）

織田信倉は、江戸時代中期に活躍した高家旗本です。通称を大膳といい、官位は従五位下・侍従、淡路守を経て、最終的には従四位上・左少将・能登守にまで昇進しました。石高は2700石でした。

生涯

信倉は、旗本・能勢頼寛の三男として生まれました。父の頼寛は江戸町奉行を務めた能吏として知られています。信倉が織田家に迎えられた背景には、頼寛の祖父である頼次の四女が織田高重に嫁いだという縁戚関係があったと考えられています。

享保元年（1716年）10月20日に家督を相続し、織田家の当主となりました。その後、享保13年（1728年）12月15日には高家職に就任し、従五位下・侍従・淡路守に叙任されました。さらに昇進を重ね、従四位上・左少将・能登守にまで至りました。元文4年（1739年）4月22日には高家肝煎という役職も務めています。

宝暦2年（1752年）10月9日、57歳でこの世を去りました。

また、信倉の家臣であった田沼次喜（文右衛門）は、延享3年（1746年）頃から明和6年（1769年）頃まで、高倉家衣紋会の会頭の一人を務めました。この衣紋会は、幕府の儀礼において正式な装束を調える役割を担っており、公家の高倉家の門人となる武士が多くいました。江戸の会頭たちは、江戸の門人と京都の高倉家との連絡調整を担っていました。このことからも、信倉の家が幕府の儀礼や文化に深く関わっていたことがうかがえます。

系譜

父：能勢頼寛
母：不詳
養父：織田信門
正室：久世広隆長女
養子：男子：織田信直 - 旗本織田信義の次男

脚注

参考文献：
井上容子 著「衣紋会の組織と活動について: 近世中後期の高倉家衣紋会を中心として」、久留島浩; 吉田伸之 編『近世の社会集団: 由緒と言説』山川出版社、1995年、115–52頁。

織田信倉は、高家旗本として幕府の儀礼に携わる一方で、家臣が文化的な活動にも関わるなど、多面的な側面を持つ人物でした。彼の生涯は、江戸時代中期の武士社会の一端を垣間見ることができる貴重な事例と言えるでしょう。

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