美多彌神社

美多彌神社（みたみじんじゃ）

美多彌神社は、大阪府堺市南区鴨谷台に鎮座する神社です。創建年代は不詳ながら、延長5年（927年）に編纂された延喜式神名帳にその名が記されている由緒ある古社であり、式内社として知られています。

祭神

主祭神は天児屋根命（あめのこやねのみこと）です。天児屋根命は、天岩戸神話において重要な役割を果たした神であり、祝詞を奏上したとされています。当社では、以下の神々も合祀されています。

須佐之男命（すさのおのみこと）
大物主命（おおものぬしのみこと）
天之水分大神（あめのみくまりのおおかみ）
市杵島比売命（いちきしまひめのみこと）
誉田別命（ほむだわけのみこと）
菅原道真（すがわらのみちざね）
伊邪那岐大神（いざなぎのおおかみ）
大国主命（おおくにぬしのみこと）

歴史

社名の由来は、『新撰姓氏録』に記された「民直（みたみのあたい）」という氏族名に由来するとされています。この氏族は天児屋根命の後裔とされ、「民（みたみ）」を「美多彌（みたみ）」と訓むとされています。

南北朝時代には、後醍醐天皇の時代に三万坪にも及ぶ広大な境内を有し、社殿も壮麗であったと伝えられています。また、楠木正成が当社の神を自身の守護神として崇敬したとされています。

1500年代には、境内に神宮寺である得泉寺が建立され、神官と社僧が共に社務を行っていました。織田信長の加護を受けたとされ、織田氏の家紋である織田木瓜（五葉木瓜）を神紋として用いています。しかし、天正5年（1577年）の織田信長による雑賀攻めの際に戦火に巻き込まれ、近隣の放光寺と共に焼失してしまいました。

文禄元年（1592年）には、楠木氏一族の和田道讃によって本殿が再建され、牛頭天王社と改称されました。

明治時代の神仏分離令により得泉寺は廃寺となり、社名も八坂神社に改称されました。その後、村社に列せられ、1907年（明治40年）には近隣の村社5社・無格社3社を合祀し、延喜式神名帳に記載されていた美多彌神社の社名に復しました。

2014年（平成26年）には、流鏑馬行事が復活し、地域の伝統文化を継承する取り組みが行われています。

境内

境内には、以下の施設があります。

本殿 - 明治時代に再建されたものです。
幣殿 - 1972年（昭和47年）に改築されました。
拝殿 - 1972年（昭和47年）に改築されました。
社務所
美修館

境内には、琴平社、白龍天王社などの摂末社も鎮座しています。

美多弥神社のしりぶかがし社叢

境内の鎮守の森は8,250平方メートルあり、シリブカガシ、アラカシ、サカキ、クスなどの照葉樹が生い茂っています。特にシリブカガシは、まとまった樹林を形成することが珍しく、樹林の東限に近いことから、1973年（昭和48年）に大阪府の天然記念物に指定されました。また、シリブカガシの森は「大阪みどりの百選」にも選定されています。

所在地

大阪府堺市南区鴨谷台1丁49-1

アクセス

泉北高速鉄道線 光明池駅 下車徒歩20分

外部リンク

美多彌神社
* 美多弥神社 堺観光ガイド

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