群山市

群山市（クンサンし）

群山市は、大韓民国全北特別自治道北西部に位置する市で、錦江下流の南岸にあります。古くから港湾都市として発展し、豊かな自然と歴史的な背景を持つ魅力的な都市です。特に、日本統治時代の面影を残す日本家屋や寺院などの文化遺産が数多く残っており、異国情緒あふれる景観が特徴です。

地理

群山市は、北に錦江を隔てて忠清南道舒川[[郡]]と接し、西は黄海に面しています。南は全北特別自治道金堤市、東は益山市と隣接しており、黄海を隔てて中国の山東半島に近い場所に位置します。沖合には古群山群島が点在し、沿岸部には広大なセマングム干潟が広がっています。この干潟では、韓国最大級の干拓事業であるセマングム干拓事業が進行中です。

気候

海に面しているため、内陸部に比べて冬の寒さは比較的穏やかです。過去の記録では、最高気温が36.9℃（1994年7月24日）、最低気温が-14.7℃（2004年1月22日）となっています。

歴史

群山市の起源は、百済時代の馬西良県に遡ります。統一新羅時代には沃溝県・臨陂郡と改称されましたが、当時は貧しい漁村でした。1899年の開港を機に、湖南平野で収穫された米の積出港として急速に発展し、1906年には沃溝府に昇格しました。1910年の韓国併合後には群山府と改称され、独立後の1949年に群山市となりました。市名の由来は、李氏朝鮮時代の群山浦にあります。

市の変遷

1914年：群山府が分割され、都市部が新たな群山府に、農村部が沃溝郡に編入。
1940年：沃溝郡の一部を編入。
1949年：群山府が群山市に改称。
1973年、1983年、1989年：沃溝郡の一部を編入。
1995年：群山市と沃溝郡が合併し、新たな群山市が発足。

経済

1988年に大規模な国営産業団地が造成されて以来、群山市は工業都市としても発展しました。1995年には沃溝郡を合併し、市域が拡大。近年では、中韓貿易の発展に伴い、対中貿易港としての役割も担っています。2010年には現代重工業の群山造船所が稼働を開始しましたが、2015年以降の造船不況により蔚山造船所への集約が決定し、2017年に閉鎖されました。その後、中小企業を中心に地域経済が低迷したため、韓国政府は群山市を産業・雇用危機地域に指定し、経営安定資金や特別保証などの支援を行いました。2023年1月には、造船業の業績回復に伴い、群山造船所の再稼働が決定しました。

交通

鉄道：長項線が市内を通り、群山駅と大野駅があります。群山駅は龍山駅からの直通列車が停車し、益山駅でKTXに乗り換えることで、ソウルからのアクセスも便利です。また、群山貨物線や沃溝線、群山港線も存在します。
バス：群山高速バスターミナルからはソウル高速バスターミナルへ、群山市外バスターミナルからは東ソウルバスターミナル、大田、光州、大邱などへの路線が運行されています。
道路：西海岸高速道路が市内を通っています。
* 空港：群山空港からは済州島への路線が利用できます。

軍事

市内には在韓米軍の群山空軍基地が所在します。

スポーツ

韓国プロ野球の起亜タイガースが、群山月明総合運動場野球場で年間数試合の主催試合を開催しています。

群山市は、豊かな自然と歴史、そして産業が調和した魅力的な都市です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。

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