義縦

義縦の生涯

義縦（ぎしょう、紀元前? - 紀元前117年）は、前漢時代の酷吏として知られる重要な官吏である。彼の出身は河東郡であり、若い頃には群盗としての生活を送っていた。しかし、姉の義姁が王太后のもとで医者として働いており、この縁から義縦は官職に取り立てられることとなる。

官職への昇進

義縦は中郎に任命された後、上党郡の県令に就任し、その厳格な統治スタイルで瞬く間に名を馳せた。彼は違法行為を見逃すことなく、優れた検挙の実績を残した。その後、長陵県令、長安県令と昇進し、貴族や外戚であっても彼の裁きを逃れることはなかった。特に、王太后の外孫である修成子仲を逮捕したことがきっかけで、武帝から有能な官吏として扱われ、河内都尉に任命される。

恐怖政治の実績

河内では、豪族の穣氏を一族ごと皆殺しにするなど、彼の凄まじい統治は恐れられた。実際、地域住民たちは義縦の存在を恐れ、犯罪も激減した。しかしその一方で、彼の統治は住民の間に極度の不安を生じさせ、誰も立ち入れないような状況を作り出していた。さらに、南陽太守として着任した際には、酷吏の寧成を取り調べ、その家族を取り潰した結果、住民が平穏を取り戻したかのように見えたが、実際には人々は義縦を恐れ続けていた。

定襄太守としての活動

その後、義縦は定襄太守に任命され、獄中の重罪人をかばった者や、罪人の親族を助ける者を容赦なく逮捕、死刑にする政策を実施。このような過酷な態度は、郡内の住民に恐怖を与え、悪事に手を染めた者たちも彼の政策に従うようになった。非常に冷酷な統治の下、義縦は郡内の治安を維持するために様々な手段を講じた。

統治権の行使と失脚

元狩4年（紀元前119年）には、義縦が右内史に任命されるが、彼の統治はさらに厳しくなり、朝廷からも誅殺が続出した。特に、武帝の行幸中に道路の不備で不満を買い、怒りを買ったことが彼の地位を危うくする原因となった。元狩6年に入ると、告緡令の施行官である楊可が不正申告の調査を行うと、義縦はこれに反発し、配下に指令を出して楊可の部下を逮捕させた。このことが武帝の耳に渡り、義縦の違法行為が次々と明らかになっていった。

最期

最終的に、義縦は武帝により捕らえられ、詔を阻害した罪で処刑されることとなった。その結果、彼は晒し首となり、彼の生涯は豪烈な人物として語り継がれることになった。彼の厳しい統治が、当時の世相や権力闘争にどのように影響を与えたのか、今なお多くの研究の対象となっている。

参考文献

• - 司馬遷著『史記』巻122酷吏列伝
• - 班固著『漢書』巻19下百官公卿表下、巻90酷吏伝

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