羽子錦徳三郎

羽子錦徳三郎（はねにしき とくさぶろう）

羽子錦徳三郎は、1935年10月17日に兵庫県尼崎市で生まれ、1973年11月19日に38歳で亡くなった大相撲力士です。本名を辰巳徳三郎といい、高嶋部屋（後に友綱部屋）に所属していました。

生い立ちと入門

実家は米屋を営んでおり、弟1人と妹3人がいました。中学校卒業後、尼崎市議会議員の紹介で高嶋部屋に入門し、1952年1月場所で初土俵を踏みました。同期には、後の関脇・小城ノ花や房錦などがいます。初土俵の場所で好成績を挙げたため、同年5月場所では序二段からスタートしました。

力士としての道のり

順調に出世を重ね、1956年1月場所で新十両に昇進しましたが、同年9月場所中に右肘を骨折するというアクシデントに見舞われます。この怪我の影響で、その後は出世が鈍化してしまいます。1958年5月場所で新入幕を果たし、通算12場所幕内を務めましたが、肘の怪我が完治せず、上位進出は叶いませんでした。糖尿病を患うなど体調も優れず、最終的には幕下まで陥落し、1962年9月場所限りで引退しました。年寄名跡を取得していなかったため、引退後はすぐに角界を去っています。

引退後は、故郷の尼崎市でアパート経営をしていましたが、1973年11月に病気のため38歳で死去しました。なお、現役晩年は、師匠が友綱部屋へ名跡を変更したことに伴い、友綱部屋に所属していました。

悲運のエピソード

1960年7月場所では、東十両筆頭で9勝6敗と再入幕をほぼ確実にする成績を残しました。しかし、東十両3枚目で11勝4敗を挙げた羽黒花、東十両5枚目で14勝1敗と十両優勝を果たした花田（後の横綱・栃ノ海）が優先され、幕内から十両へ落ちる力士が2人しかいなかったため、翌場所も同じ地位に留め置かれるという不運に見舞われました。東十両筆頭で3点勝ち越した力士が入幕できなかった事例は、1933年以降で羽子錦のこのケースのみです。

また、2024年7月13日放送の「大相撲どすこい研」では、幕内在位中の14日目の勝率1位力士として紹介されました。

戦績

通算成績：336勝296敗42休 勝率.532
幕内成績：80勝95敗5休 勝率.457
現役在位：52場所
幕内在位：12場所

改名歴

羽子錦 徳三郎：1952年5月場所-1958年7月場所
羽子錦 徳次郎：1958年9月場所-1959年3月場所
雷虎山 徳三郎：1959年5月場所
羽子錦 徳次郎：1959年7月場所-同年9月場所
羽子錦 徳三郎：1959年11月場所-1962年7月場所
辰巳 徳三郎：1962年9月場所

参考文献

『戦後新入幕力士物語 第2巻』（佐竹義惇著、ベースボール・マガジン社、1990年）p203-p207

関連項目

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