翔鶴型航空母艦

翔鶴型航空母艦

翔鶴型航空母艦は大日本帝国海軍に所属する重要な艦型で、主に翔鶴と瑞鶴の二隻から成っています。この艦型は前級の飛龍を基にしつつ、様々な設計変更が施され、その運用上の欠点を克服しようとした試みが見られます。

特徴

翔鶴型の航空母艦は、艦橋が右舷前寄りに設置されています。この配置の変更は、赤城や飛龍の運用から得られた教訓に基づいており、レシプロ機の着艦における支障を回避するために行われました。そのため、艦の重心が右側に偏り、艦橋は飛行甲板に少し食い込む形となっています。このデザイン変更は第一航空艦隊司令部の視察時に不評を買うこととなりました。

機関は、日本海軍の艦艇の中で最も強力で、8基のボイラーを搭載し、合計160,000馬力を発揮します。これにより、34ノットという要求される速度を達成し、航続距離も飛龍や蒼龍に比べて30％以上延長されています。また、詳しい設計により、バルバス・バウを持つ日本海軍の艦では初めて竣工した艦型でもあります。

航空装備

翔鶴型は大型化に伴い、格納庫が拡張され、搭載機数も増加しました。搭載機数は蒼龍、飛龍と比較して約30％増加しており、日本海軍の全空母の中でも加賀に次ぐ規模です。飛行甲板の長さは242.2m、幅29mですが、船体の細長い形状のため「瓶型」に見えるという点があります。常設の発艦カタパルトは建造時に設置されていないため、発艦時には別の手法が必要でした。

防御能力

防御においても翔鶴型は蒼龍や飛龍より強化されています。重要な場所は敵の攻撃に耐える設計になっており、800kgの爆弾や250kgの爆弾に対する耐性があります。ただし、船体の防御は艦上戦闘機と対空砲火による防御に依存しており、飛行甲板の装甲については予算や工期の関係で次期の艦型に譲る形になりました。飛行甲板が貫通し格納庫で爆発が起こった際には飛行甲板への被害が大きくなる可能性がありました。珊瑚海海戦での被弾例もこの懸念を裏付けるものでした。

歴史

翔鶴型は第三次海軍軍備充実計画に基づいて建造され、その設計は拡大された飛龍に基づいています。排水量の制限がなかったため、航空機用弾薬を増やし、30,000トン級へと大型化されました。翔鶴の名称は、元の空母翔鶴に由来しています。二隻は開戦直前に竣工し、真珠湾攻撃などに参加しましたが、珊瑚海海戦後は艦隊編成が変わり、主要な戦闘に参加しました。

同型艦

1. 翔鶴 - 1937年12月起工。1941年8月竣工後、1944年6月のマリアナ沖海戦で沈没。
2. 瑞鶴 - 1938年5月起工、1941年9月竣工。1944年10月のエンガノ岬沖海戦で沈没。

映像記録

これらの艦は映画や映像媒体でも取り上げられ、瑞鶴は『雷撃隊出動』や『連合艦隊》等の作品に登場しています。

結論

翔鶴型航空母艦は日本海軍における重要な艦型であり、その設計や運用は多くの教訓を含んでいます。歴史的にも様々な戦闘に参加し、日本の航空母艦としての役割を確立しました。

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