聖アンデレ教会

聖アンデレ教会と東京教区

聖アンデレ教会は、日本聖公会東京教区の主教座聖堂として、その歴史を刻んでいます。東京教区は、横浜や大阪と並び、日本における聖公会宣教の初期拠点の一つであり、英国聖公会、米国聖公会、カナダ聖公会など、複数の団体が協力して1887年に日本聖公会を設立し、その発展を支えてきました。

東京教区の広がり

東京教区には、都内全域に34の教会があります。北は葛飾区から南は大田区、東は江東区から西は世田谷区まで、広範囲にわたって信徒が活動しています。さらに、多摩地区や島嶼部にも教会があり、幅広い地域で信仰が守られています。現在の東京教区主教は、フランシスコ・ザビエル髙橋宏幸主教です。

聖アンデレ教会の歴史

聖アンデレ教会の歴史は、1876年にカナダ人宣教師アレクサンダー・クロフト・ショーが、三田に聖パウロ教会を設立したことに始まります。当初、教会堂を持たなかったため、ジョン・パイパーが築地に設立した聖パウロ教会にその名称が引き継がれました。

ショーは、日本人とイギリス人が共に礼拝できる場所を求めて、福澤諭吉の援助を受け、現在の聖アンデレ教会がある芝に土地を購入し、1879年に最初の教会堂を献堂しました。このレンガ造りの聖堂は、工部省雇いの建築家チャールズ・アルフレッド・シャストール・ド・ボアンヴィルによって設計されました。聖アンデレという名は、ショーの祖先がスコットランドの名家であり、スコットランドの守護聖人に由来します。

1888年には、ジョサイア・コンドルの設計により教会堂が増築されました。当時は飯倉教会と呼ばれていました。しかし、1894年の明治東京地震で倒壊。翌1895年に、再びコンドルの設計で木造の聖堂が再建されました。ショーの死後、1902年に今井寿道が牧師に就任し、日本人信徒専用の聖堂が完成しました。この聖堂は、1944年の戦災で焼失するまで、長きにわたり信徒に親しまれました。

戦後、仮聖堂を経て、1950年に新しい聖堂が竣工。そして1995年には、耐震性と耐火性を強化するための改修工事が行われ、現在の礼拝堂となりました。

聖アンデレ教会の現在

現在、聖アンデレ教会は、東京都港区芝公園に位置しています。歴史的な背景を持ちながらも、現代のニーズに対応した教会堂は、多くの信徒にとって大切な場所となっています。

聖オルバン教会

聖アンデレ教会の隣には、聖オルバン教会があります。ここは、日本聖公会にある３つの英語集会の一つであり、聖公会に属する外国人信徒や英語を母語とする人々のための教会です。他の２つは横浜山手聖公会と神戸聖ミカエル教会です。これらの英語集会は、「ミッション・トゥー・シーフェアラーズ」と関係があります。

聖オルバンという名称は、ブリテン島で殉教した聖オルバンに由来します。1876年に現在の場所で英語集会が始まり、現在の教会堂は、建築家アントニン・レーモンドの設計で1956年に建設されました。この教会堂は、他のキリスト教集会、例えば現在はウクライナ正教会東京集会など、他の宗教団体の集会にも利用されています。

聖公会の英語礼拝は、東京の聖オルバン教会の他に、札幌、横浜、大阪、神戸でも定期的に行われています。

聖オルバン教会の現在

聖オルバン教会は、聖アンデレ教会と同じく、東京都港区芝公園に位置しています。その美しい建築は、地域の人々からも愛されています。

まとめ

聖アンデレ教会は、東京教区の中心として、その歴史と信仰を守り続けています。隣接する聖オルバン教会は、英語での礼拝の場として重要な役割を果たしています。これらの教会は、日本のキリスト教史において重要な存在であり、現代においても多くの人々に心の安らぎと信仰の場を提供しています。

所在地

聖アンデレ教会：東京都港区芝公園3丁目6−18
聖オルバン教会：東京都港区芝公園3-6-25

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