聖天坂停留場

聖天坂停留場

聖天坂停留場（しょうてんさかていりゅうじょう）は、大阪府大阪市西成区の天神ノ森一丁目に位置する、阪堺電気軌道阪堺線の停留場です。全駅に付与されている駅番号はHN57となります。

位置と構造

この停留場は、専用軌道区間の中に設けられており、路面電車の停留場としては比較的珍しい形態をとっています。ホームは、通過する一つの踏切を挟んで互い違いに配置される「千鳥式」の構造を持つ単式ホームが2面あり、これにより上下線それぞれにホームが設けられています。合計2線路の構成です。上下線どちらのホームも、それぞれの線路に対して片側のみにホームが設けられる単式スタイルであり、かつ、前後の停留場から進入してくる電車が通過する踏切の手前側にホームが設置されています。

ホームの配置場所は、晴明通りという道路を挟むように配置されています。具体的には、停留場の西側ホームに隣接する道路の反対側は、西成区岸里東一丁目の区域となっています。

停留場に付属するこの踏切は、軌道と道路が交差していますが、道路の中央線があるためか、遮断機が設置された第1種踏切として運用されています。

歴史

聖天坂停留場は、その歴史において、運営会社の変遷を幾度も経験してきました。

最初にこの停留場が開業したのは1911年（明治44年）12月1日のことです。当時は（旧）阪堺電気軌道の手によって設置されました。

その後、1915年（大正4年）6月21日には、（旧）阪堺電気軌道が南海鉄道と合併したことにより、南海鉄道の駅として運営されることになりました。

さらに時代が進み、第二次世界大戦中の企業統合の流れの中で、1944年（昭和19年）6月1日には、南海鉄道が関西急行鉄道と合併して近畿日本鉄道が発足したことに伴い、聖天坂停留場は近畿日本鉄道の所属となりました。

戦後になり、鉄道事業の再編成が行われる中で、1947年（昭和22年）6月1日には、近畿日本鉄道から旧南海鉄道の路線が分離譲渡され、新たに設立された南海電気鉄道の駅となりました。

そして、1980年（昭和55年）12月1日、南海電気鉄道から阪堺電気軌道へ路線が譲渡されたことにより、現在の阪堺電気軌道の停留場として位置づけられることとなり、現在に至ります。

停留場周辺

かつて、聖天坂停留場の周辺には、阪堺電気軌道の線路に並行して走るバス路線に対応したバス停留所も存在しました。

阪堺線の西側に並行する道路上には、大阪市のコミュニティバスである「赤バス」の西成東ループが停車する岸里東一丁目停留所や天下茶屋公園停留所が設けられていましたが、これらの停留所は2013年3月31日をもって廃止されました。

また、停留場の北側を通る松虫通には、大阪市交通局（当時）が運行していた市営バスの聖天坂停留所がありました。この停留所には47号系統（地下鉄住之江公園行き・あべの橋行き）が停車していましたが、運行は平日および土曜日の日中時間帯に限られており、こちらも2014年3月31日をもって廃止されています。

興味深い点として、阪堺電気軌道の停留場名「聖天坂」の読みが「しょうてんさか」（清音）であるのに対し、かつて存在した大阪市営バスの停留所名は「しょうてんざか」（濁音）と、読み方が異なっていました。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線における聖天坂停留場の前後の停留場は以下の通りです。

北天下茶屋停留場 (HN56) - 聖天坂停留場 (HN57) - 天神ノ森停留場 (HN58)

（）内は駅番号を示しています。

関連項目

日本の鉄道駅一覧
天下茶屋
岸里
* 巨福呂坂 - 神奈川県鎌倉市にある坂で、別名「聖天坂」と呼ばれています。

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