肩透かし

肩透かし（かたすかし）

肩透かしとは、大相撲における決まり手の一つで、高度な技術を要する技として知られています。

技の概要

この技は、まず相手の差し手を自分の腋に深く引っ掛けます。次に、体を開きながら前方に引き出すと同時に、もう一方の手で相手の肩を叩き、その勢いを利用して相手を土俵に倒します。相手の力を利用する受け身の技であるため、力任せではなく、相手の体勢をよく見て、絶妙なタイミングで仕掛ける必要があります。

肩透かしを仕掛ける際には、「肩透かしを引く」という表現が用いられます。この技は、見た目以上に力と技のバランスが重要で、決まれば観客を大いに沸かせます。しかし、少しでもタイミングや体勢が崩れると、逆に自分が不利な状況に陥るリスクも伴います。

使い手

過去には、横綱旭富士正也、小結琴稲妻佳弘、関脇豊ノ島大樹、栃煌山雄一郎といった実力者がこの技を得意としていました。近年では、翠富士一成がその使い手として知られています。肩透かしは、力士の体格や得意な型によって、その使われ方や威力に違いが見られます。そのため、各力士の個性が際立つ技の一つとも言えるでしょう。

歴史的背景

1986年1月場所では、横綱隆の里俊英が進退をかけて土俵に上がりましたが、関脇保志信芳（後の横綱北勝海信芳）に肩透かしで敗れ、その直後に現役引退を表明しました。この一番は、肩透かしという技が、力士のキャリアを左右するほどのインパクトを持つことを示しました。

慣用句としての肩透かし

日常生活で使われる「肩透かしを食らう」という言葉は、この相撲の決まり手が語源となっています。期待していたことが実現しなかったり、予想外の事態に直面して、拍子抜けするような状況を表す際に用いられます。

参考文献

スポーツ報知大相撲ジャーナル2017年7月号

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
叩き込み
引き落とし

脚注

出典

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