胼胝

胼胝（たこ）とは？

胼胝、一般的に「たこ」と呼ばれる皮膚の症状は、皮膚のある部分が繰り返し物理的な圧迫を受けることで、角質層が厚くなり硬くなる現象です。皮膚表面は盛り上がり、丘状で平らな形状となります。特に強い圧迫が加わり、角質層が真皮に突き刺さるように肥厚した状態は「鶏眼（うおのめ）」と呼ばれ、痛みを伴います。

胼胝の原因

たこの原因は、主に繰り返し受ける外的刺激です。最も多いのは、サイズの合わない靴やハイヒールを履き続けることによる足への圧迫です。他に、筆記用具の長期使用による手の指のたこ（ペンダコ）、長時間の座位による足や尻のたこ（座りダコ）、スポーツ用具の使用などがあげられます。

また、糖尿病などの疾患で末梢神経障害を持つ人は、足に変形（ハンマートゥやクロストゥなど）が起こりやすく、それが原因で局所的な圧迫が持続し、たこができることがあります。さらに、摂食障害のある人が自発嘔吐を繰り返す際に、指を喉に突っ込むことで指の付け根にできる「吐きダコ」も、たこの一種です。

胼胝の治療法

たこの治療は、まず足浴などで角質を柔らかくするケアから始まります。医療機関では、コーンカッターやグラインダーなどの器具を用いて角質を削り取り、尿素軟膏やサリチル酸ワセリンなどの保湿剤で治療を行います。症状が重い場合は、手術でたこを除去することもあります。

ただし、たこは尋常性疣贅（いぼ）と見た目や症状が似ているため、誤診による治療は症状を悪化させる可能性があります。そのため、適切な診断と治療を受けることが重要です。また、素人による治療は、傷をつけたり二次感染を起こしたりするリスクがあり、潰瘍、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎といった重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

慣用句としての「たこ」

「耳にたこができる」という慣用句は、同じ話を何度も聞かされ、聞き飽きてしまう状態を表す際に用いられます。これは、繰り返し同じ話を聞くことで、耳に物理的な刺激が加わり、たこができるという比喩表現です。

胼胝と他の皮膚症状

胼胝は、肉刺（マメ）、鶏眼（うおのめ）、褥瘡（床ずれ）など、他の皮膚症状と混同されることがあります。これらの症状は、それぞれ原因や症状、治療法が異なるため、正確な診断と治療を受けることが重要です。 たこ、うおのめ、マメなどは、いずれも皮膚への圧迫や摩擦が原因で起こるものの、その程度や発生部位、症状などに違いがあります。床ずれは、皮膚への圧迫が長時間続くことによって起こるもので、たことは異なるメカニズムで発生します。そのため、それぞれの症状の特徴を理解し、適切な対処をすることが大切です。

まとめ

胼胝は、日常生活における様々な要因によって引き起こされる皮膚の症状です。適切な予防と治療、そして専門家による的確な診断が重要です。症状に気付いたら、自己判断せず医療機関への受診をおすすめします。

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