能楽協会

公益社団法人能楽協会について

公益社団法人能楽協会は、日本の伝統芸能である能楽を支える職能団体です。この協会は、主に観世流、宝生流、金春流、金剛流、喜多流といった、いずれも大和猿楽四座に系譜を持つ流派の能楽師によって構成されています。

能楽協会の起源は、1881年に設立された能楽社にさかのぼります。これは、当時の華族たちが中心となり、能楽の保護・支援を目的とした団体でした。その後、大正10年には能楽師の団体として能楽協会が設立され、1938年には能楽社との合併を経て、1945年に現在の形の社団法人として法人化されました。

現在の能楽協会は、東京都新宿区高田馬場に拠点を構えています。2020年3月時点での理事長は観世銕之丞氏、また専務理事には本田光洋氏が就任しており、多くの理事が能楽界の第一線で活躍しています。

この協会は日本の能楽の継承や普及に努めており、能や狂言といった演目を公演する際の調整や、能楽師の育成、さらには伝統文化の保存を目指しています。特に能楽協会が発表した「能楽」という名称の広まりは、能楽社による顕著な貢献の一つとされています。

能楽協会の入会資格は流派ごとに定められており、シテ方は観世流や宝生流等の流派に所属する能楽師で、流派の宗家からの推薦が求められます。2005年時点では、約1540名の会員が在籍しており、その中には約240名の女性能楽師も含まれています。この女性能楽師の入会は1948年から開始され、トレンドを変える重要な一歩でした。

能楽協会はプロの能楽師として活動するための基盤を提供しますが、単に入会しただけでは一人前と認められない点に注意が必要です。道を極めるには演目の実績が重視され、協会への入会はプロフェッショナルとしての入り口に過ぎません。指導職に専念する能楽師が入会する例もあれば、逆に入会しないケースもあります。このような慣習は流派によって異なり、それが協会内の多様性を生んでいます。

また、能楽協会は能楽の発展を促進する取り組みとして、定期的に公演を行い、多くの人々にこの伝統芸能の魅力を伝えています。能楽は、日本文化の重要な部分であり、今後もその魅力を持続的に広めていくために、能楽協会の果たす役割はますます大きくなるでしょう。日本の文化を支える能楽協会の活動は、今後の文化継承にも大いに寄与するものと期待されています。

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