高山県

高山県とは

高山県（たかやまけん）は、1868年（慶応4年）に明治政府によって、旧幕府領であった飛騨国一円を管轄するために設置された県です。現在の岐阜[[県]]北部に位置します。本稿では、前身である飛騨県についても解説します。

概要

飛騨国は、江戸時代には飛騨高山藩の金森氏によって治められていましたが、豊富な木材資源と鉱物資源（銀・鉛など）に着目した江戸幕府は、1692年（元禄5年）に財政安定のため、当時の藩主であった金森頼旹（かなもりよりとき）を出羽国上山[[藩]]へ移封し、飛騨国を幕府直轄領としました。高山城は加賀[[藩]]に預けられた後に破却され、当初は高山城の下屋敷を高山陣屋として、飛騨代官が行政を担いました。後に飛騨郡代に昇格し、越前国の幕府領を管轄していた本保代官所（現在の福井県越前市）も支配下に置きましたが、明治以降は本保県（現在の福井県）に移管されています。

1868年（慶応4年）、朝廷の命を受けた東山道鎮撫使先鋒隊の竹沢寛三郎によって、高山陣屋は天朝御用所と改められました。その後、笠松裁判所の管轄を経て、飛騨県が設置されましたが、わずか2週間ほどで高山県に改称されました。

笠松裁判所の管理下では、広範な地域を管轄するために、水戸[[藩]]出身の梅村速水（うめむらはやみ）が飛騨専任の担当として高山陣屋に派遣されました。その後、梅村は飛騨県知事に任命され、県名が高山県に改称された後も引き続き知事を務めましたが、強引な施策が原因で翌年に梅村騒動を引き起こしました。1869年（明治2年）3月14日、梅村は騒動の責任を取らされて罷免、収監されました。

1871年（明治4年）の廃[[藩置県]]後の第1次府県統合により、信濃国と飛騨国の6県が統合され筑摩県となったことで、高山県は廃止されました。

沿革

1868年（慶応4年）
4月18日：飛騨郡代の管轄地域が笠松裁判所の管轄となる。
5月23日：明治政府が飛騨国大野郡高山町（現在の岐阜[[県]]高山市八軒町1-5）にあった高山陣屋に飛騨県を設置。
6月2日：高山県に改称。
1871年（明治4年）
11月20日：第1次府県統合により、信濃国と飛騨国の6県が合併し筑摩県が成立。同日、高山県廃止。

管轄地域

飛騨国一円を管轄していました。

益田郡 - 101村
大野郡 - 136村
吉城郡 - 179村

歴代知事

飛騨県

1868年（慶応4年）5月23日 - 1868年（慶応4年）6月2日：知事・梅村速水（本名：沼田準次郎、元水戸[[藩]]士）

高山県

1868年（慶応4年）6月2日 - 1869年（明治2年）3月14日：知事・梅村速水（前飛騨県知事）
1869年（明治2年）3月14日 - 1871年（明治4年）11月20日：知事・宮原積（元鳥取藩士）

関連項目

飛騨郡代
美濃郡代、笠松県 - 隣接する美濃国を管轄していた。
筑摩県
岐阜[[県]]

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