能美町

能美町の概要

能美町（のうみちょう）は、広島県にかつて存在した町であり、佐伯郡に所属していました。町の面積は西能美島の東半分と東能美島の北西部に広がっていましたが、2004年11月1日に江田島町や大柿町、沖美町と合併し、市制を施行することで江田島市に移行し、歴史の中で消滅しました。かつての能美町役場は江田島市役所の本庁舎として使用されていましたが、2016年に改修工事を行った後、大柿支所に移転しました。そのため、従来の能美町役場は「能美支所」として機能しています。

歴史と沿革

能美町の歴史は明治時代に遡ります。1874年には中村に広島警察署第三邏卒分屯所や郵便取扱所が設置されました。1889年には町村制が施行され、佐伯郡の鹿川村、高田村、中村が成立しました。これに伴い、1890年には廿日市と中村間で郵便船が運行を開始します。

1900年にはがんね砲台が設置され、1902年には漁業組合が結成されるなど、地域社会が形成されていきました。また、1905年には芸予地震が発生し、その後間もなく大原、中村、江田島、宇品を結ぶ航路が開通し、蒸気船「海勝丸」が就航しました。

1915年には各地区で電気が通じ始め、1925年には高田と柿浦間に乗合馬車が運行されるようになりました。戦後の1945年には終戦を迎え、9月には枕崎台風により甚大な被害を受けます。1951年に鹿川村が町制を施行して鹿川町となり、1955年には鹿川町、高田村、中村が合併し能美町が誕生しました。

1960年代には、水道用水が江能地区に供給されるようになり、1974年には真道山での山火事により120ヘクタールが消失するという悲劇もありました。そして、2004年には前述の通り他の町と合併し、江田島市となります。

地理

能美町に存在した名所や地形もまた特徴的です。山々としては野登呂山（宇根山、542.0m）、真道山（286.6m）、立山（149.1m）があり、自然の美しさを楽しむことができました。また、国民宿舎能美海上ロッジなど、観光施設も地域の魅力の一部となっていました。

交通

能美町は鉄道が通っていないため、道路と航路による交通手段が主でした。国道487号や、広島県道36号高田沖美江田島線が主要な道として利用されていました。また、航路においては、高速艇とフェリーが宇品（広島市）と能美町の各所を結ぶ便がありました。

教育

教育面では、能美町立の小学校として鹿川小学校、高田小学校、中町小学校があり、また中学校として能美中学校が存在しました。特別支援学校も広島県立呉特別支援学校江能分級が設けられていました。

有名人

能美町にゆかりのある著名人には、空手家で芦原会館創設者の芦原英幸、バレーボール選手の栗原恵、レントゲン技師の徳永洋平などがいます。これらの人々は地域の誇りとして、能美町の文化や歴史を彩っています。

このように、かつての能美町は豊かな歴史と自然に恵まれた地域であり、多くの人々の日常生活に寄り添っていました。

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