致遠型防護巡洋艦

致遠級防護巡洋艦

致遠級防護巡洋艦は、清国北洋水師に属する防護巡洋艦の艦級であり、列強の東アジアにおける影響力拡大に対抗するために設計されました。この艦級は、イギリスのアームストロング社に発注され、1886年に見学進水、翌1887年に竣工しました。清国はこの艦の建造において、84万5000両という金額を支払っており、同年の11月に清国海軍に引き渡されました。

艦の概要

致遠級は、「致遠」と「靖遠」の2隻からなり、いずれもサー・ウィリアム・ホワイトの設計によるものです。「致遠」は日清戦争時の黄海海戦にて戦没し、その一方の「靖遠」は後に威海衛で沈没しました。

艦形

艦の外観は平甲板型を採用しており、艦首には衝角が取り付けられています。艦首甲板には、クルップ製の21cmライフル砲を連装艦架で一基配置し、その後ろには司令塔が設けられています。両側には操舵艦橋があり、その上には単脚式の前部ミリタリーマストが立っています。艦中央部には煙突があり、その周囲には艦載艇用のスペースがあります。この艦は、舷側に2本ずつ設置されたボート・ダビッドを用いて、合計で四組のボートが運用可能です。

副武装としては、クルップ製の15.2cmライフル砲が船体中央部の舷側に防盾付きの単装砲架で一基ずつ設置され、計二基が配置されています。また、5.7cmの速射砲は舷側甲板に合計八基を設けており、艦後方には後部ミリタリーマストと、艦尾側には21cm単装砲が一本配置されています。

このような武装配置により、艦首方向には最大で21cm砲が二門、15.2cm砲が二門、舷側には最大で21cm砲が三門、15.2cm砲が一門、5.7cm砲が四門配置され、艦尾には21cm砲一門、15.2cm砲が二門指向させることが可能です。

主砲と各備砲

本艦の主武装には、クルップ製の「1880年型 21cm（35口径）ライフル砲」が採用されており、艦首側には連装砲架で二門、艦尾側には単装砲架により艦首方向の火力が強化される配置になっています。また、対水雷艇用に「アームストロング 5.7cm（40口径）単装速射砲」が八基、近接戦闘用にはフランスのオチキス社の「オチキス 3.7cm（23口径）5連装ガトリング砲」が六基装備されています。さらに、対艦攻撃には45.7cm魚雷発射管が四基設置されています。

同型艦

• - 致遠（Chih Yuan）
• - 靖遠（Ching Yuan）

関連項目

• - 清国海軍艦艇一覧

参考図書

• - 「Conway All The World's Fighting Ships 1860-1905」（Conway）

外部リンク

• - Cruiser protected 3 class 'Chih Yuan' (1885) - 「致遠」の写真とスペックがあるページです。
• - Cruiser protected 3 class 'Ching Yuan' (1885) - 「靖遠」の写真とスペックがあるページです。
• - 北洋水師艦船資料 - 2011年10月28日閲覧

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