舟橋諄一

舟橋諄一について

舟橋諄一（ふなばし じゅんいち、1900年5月31日 - 1996年11月21日）は、日本における法学の分野、特に民法で重要な貢献を果たした学者である。彼は九州帝国大学の名誉教授として広く知られており、法律教育と研究において多大な影響を与えた。特に不動産登記法や物権法に関する著作と研究は高く評価されている。

経歴

舟橋は大分県に生まれ、1924年に東京帝国大学法学部を卒業した。その後、1929年に九州帝国大学法学部の助教授に就任し、1930年には同大学の教授に昇進した。1949年には法学部長を務め、1964年には名誉教授に就任。1979年には藍綬褒章を受章し、教育者としての業績が認められた。さらに、彼は民法の講義を行うため、1930年に北九州市に設立された九州法学校の理事も務めた。

九州大学を退官後は法政大学や創価大学で教授として教鞭を執り、八幡大学の社会文化研究所で客員教授としても活動した。彼の活動は多岐にわたり、日本の法学界における貢献は計り知れない。

研究と評価

舟橋の研究は特に不動産登記法や物権法に集中している。彼は民法第177条における「第三者」の解釈について積極的に議論を重ね、当初は悪意者排除説を提唱していた。後に牧野英一が提唱した背信的悪意者排除説に賛同し、彼の主張は徐々に支持を集めるようになった。この理論はその後、川島武宜の支持を受け、2008年には確定した判例として法理に定着している。

このように、舟橋は法学界においてその説が広がり、法理の発展に寄与してきた。彼の理論や研究成果は今も多くの法学者に影響を与えており、日本の民法の理解に欠かせない要素となっている。

著作

舟橋諄一は多くの著作を残しており、以下のような重要な作品がある。

• - 『不動産登記法』 （日本評論社、1937年）
• - 『民法総則』 （弘文堂、1954年）
• - 『物権法』 （有斐閣法律学全集、1960年）
• - 法学概論（共編著、青山道夫とともに、有斐閣、1952年）

また、彼はフランツ・シュレーゲルベルゲルの『民法典への訣別』を翻訳し、1944年に出版している。これらの著作は、法学の教育や研究において重要な参考資料とされている。

舟橋諄一の長い教育者としてのキャリアと研究成果は、法学界における彼の指導力と影響力を物語っている。彼の業績は今なお多くの後進の法学者に受け継がれ、法学の発展に貢献している。

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