艋舺龍山寺

龍山寺（りゅうざんじ）

龍山寺は、台湾各地に存在する寺院ですが、特に台北市万華区にある艋舺龍山寺（ばんかりゅうざんじ）がよく知られています。地元では単に「龍山寺」と呼ばれることが多いこの寺院は、台北市内最古の寺院であり、その歴史と文化的価値から国家古蹟にも指定されています。

歴史

龍山寺は1738年、福建省泉州から渡ってきた人々によって、福建晋江安海龍山寺の分霊として創建されました。日本統治時代の1919年には、福建泉州出身の大工棟梁、王益順の設計施工により大規模な修繕が行われました。この修繕によって、寺院の美しい建築様式が保たれています。

龍山寺は、台北101、国立故宮博物院、中正紀念堂と並び、台北市の「四大外国人観光地」の一つとされています。また、艋舺清水巌、大龍峒保安宮と並ぶ「台北の三大廟門」としても知られています。

本尊は観世音菩薩ですが、現在では道教や儒教など様々な宗教が習合しており、孔子や関帝（関羽）、媽祖など、祀られている神は100以上にも及びます。参拝者は、境内に設けられた7つの香炉を順に巡りながら、それぞれの神に祈りを捧げます。

寺院は、地震や火災によって何度か損傷し、日本統治時代には学校として接収された時期もありました。しかし、その都度再建・修理が行われ、歴史と信仰が守られてきました。1985年には台北の市定古跡に指定され、2018年には国定古跡に昇格しています。

また、龍山寺は1986年に戒厳令に基づく言論統制に反対する人々が結集した五一九緑色運動の舞台にもなりました。この出来事は、龍山寺が単なる宗教施設だけでなく、歴史的な出来事にも関わりの深い場所であることを示しています。

アクセス

龍山寺へのアクセスは非常に便利です。

台北捷運（地下鉄）板南線 龍山寺駅（BL10）から徒歩3分
台湾鉄路管理局縦貫線 万華駅（萬華車站）から徒歩7分

周辺地域

龍山寺の周辺には、華西街観光夜市が広がっています。この夜市は、ヘビ料理の店を特色とする観光名所として知られています。店頭には生きたヘビが陳列され、ヘビを捌くパフォーマンスが観光客を魅了します。

舞台となった作品

龍山寺は、映画の舞台としても利用されています。

* カミカゼ野郎 真昼の決斗（1966年）: 主人公（千葉真一）が中華民国に表彰されるシーンが龍山寺で撮影されました。

まとめ

龍山寺は、歴史、宗教、文化が融合した場所であり、台北を訪れる際には外せない観光スポットです。多様な神々が祀られているだけでなく、その美しい建築様式や歴史的な背景も魅力です。周辺の夜市と合わせて楽しむことで、より深く台湾の文化を体験できるでしょう。

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