花山院持実

花山院持実（かさんのいん もちざね）は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した公卿です。寛文11年（1671年）に叙爵し、公家社会で着実に昇進を重ねました。最終的な官位は従二位・権大納言にまで至り、花山院家25代当主として家格の維持・向上に貢献しました。

生涯

持実は内大臣・花山院定誠の子として生まれました。初めは持房（もちふさ）と名乗っていましたが、後に持実と改名しています。元禄6年（1693年）には権大納言に任じられ、元禄16年（1703年）までその職を務めました。また、元禄7年（1694年）には従二位に叙せられ、神宮伝奏という重要な役職を担いました。さらに、元禄8年（1695年）には踏歌節会外弁にも任命されています。

享保13年（1728年）に59歳で薨去しました。

職務と役割

持実が務めた神宮伝奏は、朝廷と伊勢神宮との間を取り持つ重要な役割でした。朝廷の意向を神宮に伝え、神宮からの報告を受けるなど、両者の円滑な関係維持に貢献しました。また、踏歌節会外弁は、宮中行事である踏歌節会の運営に携わる役職であり、持実の教養と能力が評価されていたことがうかがえます。

系譜

父は内大臣を務めた花山院定誠。母は大炊御門経孝の娘です。妻については詳細が不明です。子には、花山院師夏と花山院常雅がいます。花山院常雅（1700-1771）も公卿として活躍しました。

花山院持実は、江戸時代中期における公家社会において、重要な役割を果たした人物の一人です。彼の活動は、当時の朝廷や公家社会の状況を知る上で貴重な情報源となります。

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