花柳喜章

花柳喜章：昭和期の俳優、その生涯と業績

花柳喜章（はなやぎ よしあき、1924年1月5日 - 1978年1月3日）は、日本の俳優である。本名は青山勝。兵庫県（または東京府）出身。幼少期に俳優・花柳章太郎の養子となり、芸名は養父の名と師匠の名から一字ずつ取って名付けられた。

1933年、わずか9歳で明治座にて初舞台を踏む。その後、俳優養成同好会「青年の会」で後進の指導にもあたった。戦後の活躍はめざましく、数々の映画やテレビドラマに出演し、幅広い役柄をこなした。

映画における代表作

花柳喜章の映画出演作は多岐に渡る。初期の作品としては、『残菊物語』（1939年）、『晴小袖』（1940年）、『夫婦太鼓』（1941年）などがある。戦後は、文豪の作品を原作とした映画への出演も多く、『山椒大夫』（1954年）、『春琴物語』（1954年）など、名作への出演を通してその演技力を広く知らしめた。時代劇から現代劇まで幅広いジャンルに挑戦し、『狂四郎無頼控 魔剣地獄』（1958年）、『晴小袖』（1961年）、『あかね雲』（1967年）、『超高層のあけぼの』（1969年）など、多くの作品で重要な役どころを演じている。

テレビドラマにおける活躍

テレビドラマにおいても、花柳喜章は存在感を示した。NHK大河ドラマ『花神』（1977年）での西郷隆盛役は、彼の代表作として広く知られており、力強い演技で視聴者を魅了した。この他、『赤穂浪士』（1964年、NHK）、『風雪』（1964年-1965年、NHK）、『三姉妹』（1967年、NHK）、『平四郎危機一発』（1967年、TBS）、『開化探偵帳』（1968年-1969年、NHK）、『銭形平次』（1968年、フジテレビ）、『大坂城の女』（1970年、フジテレビ）、『青春太閤記 いまにみておれ!』（1970年、日本テレビ）、『国盗り物語』（1973年、NHK）、『勝海舟』（1974年、NHK）、『元禄太平記』（1975年、NHK）、『必殺からくり人』（1976年、ABC）、『遠山の金さん』（1976年、NET）、『日曜劇場 夢のながれ』（1976年、CBC）など、数多くの作品に出演。時代劇、現代劇を問わず、幅広い役柄を巧みに演じ分けた。

早すぎる死

1978年1月2日、新橋演舞場の初日公演中に倒れ、翌3日、54歳という若さで急逝した。その死は、日本の芸能界に大きな衝撃を与えた。

まとめ

花柳喜章は、子役時代から晩年まで、映画、テレビドラマ、舞台と精力的に活動した俳優であった。その演技力は高く評価され、多くの作品で重要な役を演じた。特にNHK大河ドラマ『花神』での西郷隆盛役は、彼の代表作として長く記憶されている。若くして世を去ったことは誠に惜しまれるが、彼の残した数々の作品は、今もなお多くの人々の心に響き続けている。

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