花桃の里 月川温泉郷

花桃の里 月川温泉郷

長野県下伊那郡阿智村智里西地区に位置する月川温泉郷は、宿泊施設「野熊の庄 月川」を中心に、約5000本もの花桃が咲き誇る美しい地域です。春にはピンク、白、赤など色とりどりの花桃が里を埋め尽くし、訪れる人々を魅了します。

歴史

この地域は、古代の官道「東山道」の道筋にあり、最大の難所であった神坂峠の信濃側麓に位置します。古くは「園原」として和歌にも詠まれた場所ですが、東山道の衰退とともに寂れた山里となりました。

転機が訪れたのは昭和時代。中央自動車道の建設に伴い、恵那山トンネルの工事が開始されました。トンネル掘削によって出た残土を地元住民が受け入れ、谷筋の耕作地を埋め立て再耕作地にしたことが、この地の景観を大きく変えるきっかけとなりました。昭和49年には恵那山トンネルが開通し、木曽谷と伊那谷が最短距離で結ばれるようになりました。このトンネルは、当時、東洋一の長さを誇りました。

平成3年、地域振興のため宿泊施設「野熊の庄 月川」が建設され、この地で花桃が本格的に植えられ始めます。当初は旅館の周辺に1000本が植えられましたが、その後、地域住民も加わり「花桃の里づくり委員会」が発足。3年かけて2500本もの花桃が植えられ、現在のような美しい花桃の里が形成されました。現在では、本谷川沿い約4kmにわたり、約5000本の花桃が咲き乱れます。

花桃

花桃は、観賞用に改良された桃で、一重や八重咲きのものがあります。花の色は、赤、ピンク、白、紅白の咲き分けなど様々で、花径は3〜5cm程度。結実しますが、実は小さく食用には適しません。

開花時期と行事

花桃の見頃は、例年4月中旬から5月上旬頃です。この時期に合わせて花桃祭りが開催され、多くの観光客で賑わいます。

花桃の里づくり

「花桃の里づくり委員会」は、花が終わった後の剪定作業、夏から秋にかけての下草刈り、そして肥料まきなど、年間を通して活動を続けています。これらの活動は、訪れる人が毎年美しい花桃を楽しめるようにと、地域住民によって支えられています。

周辺情報

月川温泉郷の周辺には、以下の観光スポットがあります。

昼神温泉
ヘブンスそのはらSNOW WORLD
日本一星空の里
阿智神社
神坂神社
神坂峠
富士見台高原
恵那山
* 信濃比叡広拯院

アクセス

東京方面からは、中央自動車道飯田山本インターチェンジから車で約25分。
名古屋方面からは、中央自動車道園原インターチェンジから約5分。
電車の場合、JR東海飯田線飯田駅から車で約40分です。

花桃の開花時期は、周辺道路の混雑が予想されるため、時間に余裕を持った計画をおすすめします。

まとめ

月川温泉郷は、美しい花桃と豊かな自然に囲まれた魅力的な場所です。春には多くの観光客が訪れますが、静かな山里の風景も楽しめます。歴史と自然が調和したこの場所で、ゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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