若ノ城宗彦

若ノ城 宗彦について

若ノ城宗彦（わかのじょう むねひこ、1973年4月13日生まれ）は、沖縄県那覇市出身の元大相撲力士であり、間垣部屋に所属していました。彼の本名は阿嘉 宗彦（あか むねひこ）で、身長191cm、体重157kgという堂々した体格を誇っています。彼の得意技は右四つと上手投げであり、最高位は1998年3月場所で達成した西前頭6枚目です。

来歴

彼は沖縄尚学高校時代に柔道部に所属し、1年次からレギュラーとして活躍しました。特に2年次には全国高校選手権で真喜志慶治と共に沖縄県勢初の団体戦優勝を果たし、オリンピック柔道代表候補の一人と目されていました。しかし、角界入りは当初の予定ではありませんでした。高校の寮の食堂での米の食べ放題制度により、運動しなくなった彼は健康に異常を来し、血糖値が450mg／dlに達しました。この結果、入院を余儀なくされ、糖尿病によって大学進学を断念しましたが、間垣親方からの勧誘を受けて相撲界への道を選択しました。

1992年1月場所にて初土俵を踏み、柔道時代の体格を活かして素早く昇進していきました。1995年9月には十両に昇進し、その場所で12勝3敗の成績で十両優勝を果たしました。しかし、その後糖尿病の影響で再び成績が振るわず、両親や師匠の支援を受けつつも波乱の大相撲人生を歩むことになります。

幕内での活躍と苦悶

1997年9月には千代大海と共に新入幕を果たし、沖縄県出身者としては3人目の幕内力士となりました。入幕直後は周囲からの期待も高まりましたが、付き合いや外食が増えたため、糖尿病の症状が悪化してしまいました。最終的には2000年5月場所に幕下に陥落し、さらには数回の番付変動を経て、最終的に序二段まで落ちてしまいました。

引退を迎える際、彼の生涯成績は356勝375敗21休、勝率は.487であり、幕内成績は78勝102敗、勝率は.433となっています。

引退後の人生

引退後は準年寄・若ノ城として後進指導を行い、その後年寄・西岩を襲名しました。しかし、相撲協会を退職し、プロ野球マスターズリーグのディレクターを務めた後、糖尿病の症状は再び悪化。33歳の時、腎不全と診断され、医師から生存率30%の宣告を受けましたが、64歳の母親からの腎臓提供を受けることができ、再び生活できる道が開けました。

その後はデイケア施設で介護の仕事に従事し、2021年には施設の責任者を務めるまでに成長。また、介護業界における力士の役割も強調しており、入居者の食事管理に取り組んでいます。さらに、AbemaTVの相撲中継解説や一般社団法人力士セカンドキャリア推進協会の設立にも関わり、様々な活動を通じて社会に貢献しています。

このように、若ノ城宗彦は糖尿病という困難に直面しながらも、相撲界を経て介護分野で新たな人生を送る姿勢から多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

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