若ノ海正照 (1959年生)

若ノ海正照（わかのうみ まさてる）は、1959年6月4日生まれ、秋田県山本郡山本町（現在の三種町）出身の元大相撲力士です。本名は高橋道雄。花籠部屋、放駒部屋に所属し、最高位は東十両4枚目。身長179cm、体重115kg。右四つ、寄り、吊りを得意としていました。

人物

若ノ海は、森岳中学校時代に相撲部と陸上部で活躍。陸上では100m走で記録を更新、相撲では全国中学校相撲選手権大会で優勝するなど、非凡な才能を発揮しました。中学卒業後、高校進学を控えていましたが、その活躍を知った同郷の11代花籠親方（元前頭3・大ノ海久光）から熱心な勧誘を受け、花籠部屋に入門。当時、「大相撲は高卒より中卒の方が有利」という考え方が一般的だったこともあり、自然な流れでの入門となりました。

力士としての道のり

1975年3月場所に初土俵を踏みました。同期には、後の大関となる若嶋津六夫や霧島一博、関脇の太寿山忠明らがいました。序二段で2度の優勝を果たすなど順調に番付を上げ、初土俵から約3年で幕下に昇進しました。しかし、体格に恵まれなかったこともあり、幕下での苦戦が続きました。さらに、度重なる怪我にも悩まされ、特に1984年11月場所で右大胸筋皮下断裂という大怪我を負った際には、廃業も覚悟したといいます。それでも諦めずにリハビリに励み、粘り強く相撲を取り続け、1986年3月場所に念願の十両昇進を果たしました。関取昇進を機に、部屋の先輩である13代大嶽親方（元関脇・大受）の現役時代の四股名「若ノ海正照」を襲名しました。

1985年暮れに発生した花籠部屋の騒動の影響で、放駒部屋へ移籍しました。十両では安定した成績を残していましたが、1986年11月場所で右アキレス腱断裂の怪我を負い、全休を余儀なくされ幕下へ陥落。その後は幕下上位で粘り強く相撲を取り続けましたが、1989年9月場所を最後に現役を引退しました。

主な成績

通算成績：331勝275敗43休 勝率.546
十両成績：31勝29敗15休 勝率.517
現役在位：88場所
十両在位：5場所
序二段優勝：2回（1976年3月場所、同年9月場所）

改名歴

高橋山道雄（1975年3月場所 - 1978年11月場所）
大響道雄（1979年1月場所 - 1979年5月場所）
高橋山道雄（1979年7月場所 - 1980年5月場所）
花車道雄（1980年7月場所 - 1984年9月場所）
花錦道雄（1984年11月場所）
花扇道雄（1985年1月場所 - 1986年1月場所）
若ノ海正照（1986年3月場所 - 1988年9月場所）
* 若乃海正照（1988年11月場所 - 1989年9月場所）

引退後については詳細な情報は見つかりませんでしたが、若ノ海正照は、怪我に苦しみながらも諦めずに土俵を務め、ファンを魅了した力士として記憶されています。

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