若天狼啓介

若天狼啓介（わかてんろう けいすけ）

プロフィール

1977年10月18日、北海道根室市に生まれた若天狼啓介は、本名を上河啓介といい、間垣部屋に所属した元大相撲力士です。身長184cm、体重170kg、血液型はAB型。突き、押しを得意とし、趣味はウエイトトレーニングという、恵まれた体格の持ち主でした。2010年9月場所には西十両2枚目まで番付を上げましたが、2011年4月に引退しました。

力士としての道のり

中学校卒業後、間垣部屋に入門し、1993年3月場所に初土俵を踏みました。序二段、三段目時代は苦戦しましたが、幕下に昇進してからは着実に番付を上げ、2001年11月場所に新十両へと昇進を果たしました。しかし、その後は十両と幕下を行き来する時期が続き、2004年1月場所中に左膝内側側副靱帯断裂という重傷を負い、幕下へ陥落。公傷制度が廃止された影響もあり、2005年1月場所には西序二段110枚目まで番付を下げてしまいます。これは、十両経験者としては当時6位となる大幅な陥落記録でした。

しかし、この場所で7戦全勝で優勝同点となると、そこから3場所連続で勝ち越し、幕下まで番付を盛り返しました。その後、幕下中位で一進一退を続けましたが、2007年1月場所で西幕下11枚目で5勝2敗と勝ち越したあたりから、再び幕下上位に顔を出すようになります。2008年1月場所には東幕下3枚目まで番付を戻し、十両復帰が目前でしたが、千秋楽で敗れ、復帰はなりませんでした。それでも、同年7月場所で西幕下3枚目で勝ち越し、翌9月場所で28場所ぶりとなる十両復帰を果たしました。これは、史上3位の再十両間隔記録であり、序二段以下まで陥落した元十両力士の再十両昇進としては、戦後2例目となる快挙でした。

その後は幕下に陥落することなく、主に十両の中位から下位に定着し、幕内を狙える位置まで番付を上げたこともありましたが、いずれも負け越し、入幕は叶いませんでした。2011年の大相撲八百長問題では、Eメールの内容に名前が挙がったことで、八百長に関与したと指摘され、引退勧告を受け、同年4月5日に引退しました。

引退時には「まだ認めていない」としながらも、19年間お世話になった相撲界への感謝の思いも語っています。

引退後の活動

引退後、若天狼は新たな道に進みます。まず、高校卒業程度認定試験に合格し、学習に取り組みました。その後、小学校時代の友人が福祉の仕事をしているのを見て、自身の経験が生かせるのではと考え、2012年7月にデイサービス施設の運営会社を設立しました。さらに、株式会社シリウスの代表として、墨田区内で複数のデイサービス施設を運営する傍ら、元力士たちのセカンドキャリアを支援する「お相撲さんプロモーションズ」を設立し、人材育成や相撲の解説者キャスティングなどを行っています。

2018年11月には、元力士たちと共に一般社団法人力士セカンドキャリア推進協会を設立し、引退する力士の就職相談にも力を入れています。相撲界で培った経験を活かし、多方面で社会に貢献しています。

エピソード

1999年3月場所では、幕下付出で初土俵を踏んだ琴光喜、高見盛、濱錦の3人を破り、プロとしての意地を見せました。
引退後も、浜亮太とは定期的に交流があるようです。
新弟子時代には、稽古で胸が内出血で黒くなり、頭には血の瘤ができるほどだったと語っています。

主な成績

生涯成績：448勝406敗71休 勝率.525
十両成績：136勝170敗24休 勝率.444
現役在位：108場所
十両在位：22場所

改名歴

上河 啓介（かみかわ けいすけ）1993年3月場所 - 1995年9月場所
若天狼 啓介（わかてんろう けいすけ）1995年11月場所 - 2011年5月場所

若天狼の四股名は、シリウス星の中国語名「天狼星」に由来し、相撲界での一番星を目指してほしいという願いが込められています。

脚注

若天狼啓介 - 日本相撲協会
若天狼啓介 - 相撲レファレンス
株式会社[シリウス]
お相撲さんプロモーションズ(@siriussumo) - Twitter
お相撲さんプロモーションズ - Youtube
一般社団法人力士セカンドキャリア推進協会
一般社団法人力士セカンドキャリア推進協会（@nppMXR1n13bPqqY） - Twitter

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