若宮八幡宮 (川崎市)

若宮八幡宮について

若宮八幡宮（わかみやはちまんぐう）は、神奈川県川崎市川崎区大師駅前に位置する神社で、旧大師河原の総鎮守として知られています。この神社の境内には、特に「かなまら祭」で有名な金山神社も併設されています。

歴史的背景

若宮八幡宮の起源は、東京都大田区にある八幡塚六郷神社から氏子が移住したことに始まります。大師河原の干拓地を総鎮守として、六郷神社の祭神である応神天皇の子、仁徳天皇が祀られました。創建時期は明確には定まっていませんが、永正17年（1520年）から弘治元年（1555年）の間に実施された検地に基づいて作成された『小田原衆所領役帳』にその名前が記載されています。そのため、1559年に初見の文献として登場します。これ以降、若宮八幡宮は川崎大師平間寺の鎮守社としての役割を果たしてきましたが、明治時代の神仏分離により独立し、平間寺38世の佐伯隆基の親族が初代宮司となりました。

祭事と行事

若宮八幡宮で行われる祭事の一つが節分祭です。この際には特にユニークな豆まきが行われ、豆のほかに駄菓子や煎餅なども撒かれ、子どもたちで賑わいます。1994年から始まったこの祭では、豆まきの福豆の中に恵方巻用の海苔の引き換え券を入れる試みが始まり、参加者は年女・年男が恵方に向かって同時に恵方巻を食べるという行事も追加されました。関東の神社の中で、恵方巻を公の行事として取り入れたのは若宮八幡宮が唯一とされています。

さらに、周辺の長十郎梨の発見地であることから、若宮八幡宮では長十郎梨の収穫祭も開催されています。

境内社

若宮八幡宮にはいくつかの境内社が存在します。中でも金山神社は「かなまら祭」で知られており、元々は大師駅前に位置していました。伊勢町の伊勢社と大師駅前の稲荷社が合祀されているほか、藤森稲荷神社、大鷲神社（11月の酉の日に「酉の市」が開催される）、厳島神社（郷土資料館内）などが存在しています。また、境内には郷土資料館（社務所2階）と若宮幼稚園も併設されています。

文化財

若宮八幡宮では、神楽も行われており、これは境内での囃子神楽です。この神楽は2018年に川崎市の地域文化財として登録され、無形民俗文化財としての地位を得ました。

地域との繋がり

若宮八幡宮の氏子区域は広範囲にわたり、旧川崎町、旧久根崎町、旧東京府荏原郡雑色村から、旧大師河原村の各地域までを含みます。これらの地域の住民が神社の活動を支える一方で、地域の文化や伝統行事との結びつきも強いと言えるでしょう。

アクセス

若宮八幡宮へは、京急大師線の川崎大師駅から南口を出て徒歩約3分の距離です。また、川崎鶴見臨港バスの川23系統に乗車し、若宮八幡前で下車することも可能です。これらの交通手段により、訪れる人々は便利に神社を訪問することができます。

若宮八幡宮は、歴史ある神社であり、数多くの祭りや文化的活動が行われる場所です。地域の人々と密接に結びつき、伝統を支える役割を果たし続けています。

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