若島権四郎

若嶌 權四郎の生涯と功績

若嶌 權四郎（1876年1月19日 - 1943年10月23日）は、千葉県市川市原木に生まれ、大相撲界で数々の偉業を成し遂げた伝説的な力士です。本名は加藤権四郎で、旧姓は高橋です。彼は東京の楯山部屋や大阪の中村部屋に所属し、特に大坂相撲での活躍が際立ちました。若嶌は、大坂相撲では初めて公認された横綱としても知られ、その名声は今なお多くの相撲ファンに語り継がれています。

初期の経歴

若嶌は1890年に東京相撲の元大関、若嶌久三郎の楯山部屋に入門しました。彼は当初、松若大五郎の四股名で初土俵を踏みますが、1891年に発生した濃尾地震において兄弟子の楯甲久四郎が亡くなるという悲劇を経験します。この出来事が彼の心に深い影響を与え、その後、濃尾地震で亡くなった兄弟子の四股名を受け継ぎ、楯甲と改名して相撲界で活動を続けました。

1896年には入幕し、前頭7枚目に昇進。しかし、1897年に天然痘を発症し、その影響で成績が振るわなくなります。彼の外見が魅力的だったことも相まって、徐々に人気は落ちていきました。この状態を打破するため、1898年に大坂相撲に脱退し、小結若嶌幸右エ門の四股名を引き継ぐことになります。このように、本来なら名を譲るべき立場であったものの、若嶌は自ら新たな道へ踏み出しました。

大坂相撲での活躍

大坂相撲に加入した若嶌は、心機一転し強さを増していきます。1901年には大関に昇進し、1903年には五条家から横綱免許を受けました。1905年には、ついに吉田司家から横綱免許を授与され、大坂相撲の力士として初めてこの名誉を手にしました。彼はその強さを証明し、大坂相撲の象徴的存在となりました。

若嶌の取り口は非常に多彩で、特に突っ張りの威力が際立っていました。相手にとって難敵となる存在であり、1905年には大坂相撲復興の第一人者として知られました。しかし、東京相撲との合併相撲では常陸山谷右エ門に打ち負かされることもあり、相撲界の中での競争は厳しいものでした。

引退後の生活

1905年9月、若嶌は巡業中に自転車事故に遭い、頭部を負傷します。この怪我により相撲を続けることができなくなり、1907年には引退を余儀なくされました。その後、若嶌は一代頭取として若嶋権四郎を名乗りますが、廃業フローの影響もあり、1908年には相撲界を去ることとなります。

彼の引退後の人生は決して平坦ではありませんでした。米子で劇団やビリヤード場を経営し、米子市会議員にも就任しますが、非常に熱心な社会奉仕活動を行った結果、財産は減少し、最晩年には貧しい生活を余儀なくされました。それでも若嶌は慈善活動を続け、その精神は県内外に広まることとなります。

1943年、若嶌は東京の日本相撲協会に向かう途中、神戸で脳溢血に倒れ、67歳の生涯を閉じました。彼の名声と功績は今後も多くの人々に語り継がれることでしょう。

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