若葉山鐘

若葉山 鐘（わかばやま あつみ）

若葉山鐘（1895年3月9日生まれ）は、千葉県千葉郡（現在の千葉市若葉区）出身の大相撲力士で、本名は小林鐘です。彼は二十山部屋に所属し、最高位は東関脇に至りました。

生い立ちと初土俵

若葉山は地元の小学校を卒業後、近隣の澱粉工場で働いていましたが、同郷の力士である二十山にスカウトされて相撲界に入門しました。彼が初土俵を踏んだのは1913年5月場所で、四股名の「若葉山」は「盛んなもの」を意味し、二十山が命名しました。この四股名は、彼の稽古に対する真摯な姿勢を象徴するものでした。

若葉山は非常に稽古熱心であり、番付に名を連ねてからは負け越しを経験せずに成績を残しました。1918年5月場所では新十両に昇進し、1920年には新入幕を果たすなど、早い段階からその才能を開花させていきました。

成績とスタイル

1925年1月の場所では小結として8勝2敗の好成績を収め、優勝旗手の栄誉に輝きました。また、1922年から1931年までの間、31場所にわたり幕内上位に定着し、彼の力士としての実力を証明しました。しかし、土俵での度胸や立合いの技術に欠けていたことが、大関昇進を果たせなかった一因とされています。敢えて松内則三に詠まれた句に「若葉山 紅葉の頃に 立ち上がり」という言葉があるように、仕切り時間の長さが彼の課題でもありました。

それでも、若葉山はその怪力を活かし、固い脇を駆使して相撲に取り組みました。相手が前に落ちそうになっても叩かず、正攻法で押し続ける姿勢は多くの観客を魅了しました。これにより、彼は相撲界において存在感を示し続けました。

引退と指導者としての活動

若葉山は1933年5月、この年の場所を最後に現役を引退し、年寄・錣山を襲名して後進の指導に専念しました。しかし、1943年に二十山部屋が閉鎖されると、彼は双葉山相撲道場に移籍し、若葉山の名跡を後進の岩平に譲渡しました。その後、岩平も引退後に年寄・錣山となりました。若葉山は、力士としての経験をもとに多くの弟子を育てることに力を注ぎました。

最後の時

1957年には鹿児島県での巡業中に階段から落ちて負傷し、療養を余儀なくされましたが、1958年4月27日、年寄として在籍中に63歳で死去しました。彼の死は相撲界において大きな損失となりました。

主な成績

• - 幕内成績: 251勝218敗1分1預15休（勝率.535）
• - 現役在位: 54場所
• - 幕内在位: 40場所
• - 三役在位: 21場所（関脇8場所、小結13場所）
• - 優勝旗手: 1回
• - 金星: 3個（特に宮城山福松戦）
• - 各段優勝: 三段目優勝1回（1917年1月場所）

若葉山鐘の功績と精神は、相撲ファンにとって永遠の記憶として残り続けるでしょう。

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