茜社

茜社 (あこねやしろ)

茜社は三重県伊勢市豊川町に位置する神社であり、地域住民によって「あこねさん」として親しまれています。この神社は山田産土神八社の一つで、近代社格制度では村社として分類されていますが、伊勢神宮豊受大神宮（外宮）の宮域内にあるものの、正式には伊勢神宮の所管ではありません。

境内の特徴

茜社の境内は601坪（約1,987m²）あり、東、南、西の三方向が外宮宮域内の美しい勾玉池に囲まれています。社名の「あこね」は、鎮座地近くの歴史的な地名「赤畝」に由来しています。境内には、豊川茜稲荷神社や天神社（茜牛天神）などが立ち並び、信仰の深さを物語っています。

2012年からは鈴木瑞穂が宮司を務めており、伊勢市の神社で初の女性宮司として注目されています。

信仰の範囲

茜社を信仰する氏子地域は豊川町、藤里町、旭町で、多くの崇敬者が参拝に訪れます。本殿へ続く参道には多くの鳥居が立ち並び、信仰を示す国々の幟や無数の旗、キツネの置き物で埋め尽くされています。

作家の佐藤愛子は彼女の著書『私の遺言』や『冥途のお客』でこの神社を紹介し、隠れた名所として多くの人々から注目されています。毎年、1月15日には御頭神事が、7月15日には例祭が行われ、地域住民と訪れる人々にとって重要な祭事となっています。

祭神

茜社では天牟羅雲命（あめのむらくものみこと）と蛭子命（ひるこのみこと）を主祭神として祀っています。『宇治山田市史』では「不詳一座 或云赤畝氏祖天牟羅雲命」と記されています。蛭子命は合祀により祀られる神であり、天牟羅雲命は天上から水を持ち帰った飲料水の神として知られています。

境内社について

境内には次の二つの神社が鎮座しています。

豊川茜稲荷神社

創建時期は不詳ですが、茜社の境内に古くから存在していました。祭神は宇迦之御魂神（うかのみたまのかみ）で、漁師たちからの信仰が厚いことが知られています。

天神社

学問の神である菅原道真を祀るこの神社は、元々は山田大路家の鎮守神でした。「牛天神」との異名があるものの、その由来は二つの説が存在します。一つは氏神が「牛神」に転訛したという説、もう一つは、外宮宮域の菅原道真像を山田大路家の鬼門除けに移したことから転じたという説です。毎年、受験生が多く参拝します。

歴史

茜社の創建は986年より以前、一条天皇の時代以前と考えられています。古代には外宮の摂社として祀られていましたが、時が経つにつれ産土神へと変わりました。

「赤畝社」や「赤うね明神」と称されていた時期から、明治時代の初めに「茜社」と呼ばれるようになりました。1982年には、社宝として獅子頭が三重県指定有形文化財として認定されました。さらに、1952年には宗教法人格を取得し、完全に自立することになります。

アクセス

公共交通

• - JR参宮線・近鉄山田線の伊勢市駅南口から徒歩5分程度
• - 三重交通「伊勢市駅前」バス停から徒歩5分
• - 「外宮前」バス停からすぐの距離でアクセスが便利です。

自家用車

• - 伊勢自動車道の伊勢西ICから三重県道32号伊勢磯部線を北へ約5分で到着します。周辺には外宮の駐車場もあります。

このように茜社は、地域の人々に愛される歴史ある神社として、多くの訪問者が集う場所です。

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