茹皓

茹皓（じょ こう）

茹皓（生年不詳 - 504年）は、北魏の宣武帝に寵愛された臣下であり、字を禽奇と名乗りました。彼の出自は呉郡にあります。

生涯

茹皓の父である茹譲之は、元々要という名前で、南朝宋の巴陵王劉休若の部将として彭城に入りました。しかし、飢饉により治安が悪化したため、淮陽郡の上党へ移住しました。当時、茹皓は15、6歳で、県の金曹吏として働いていました。そこで、北魏の南徐州刺史であった沈陵に見出され、彼に従って洛陽に入り、官職を持たないまま孝文帝の側近として仕えることとなりました。

宣武帝が即位すると、茹皓は禁中で宿直するようになり、皇帝の寵愛を一身に受けるようになりました。宣武帝が山陵に参拝する際には、茹皓を車に同乗させたほどで、黄門侍郎の元匡が諫めても聞き入れませんでした。宣武帝が親政を開始すると、茹皓は日に日に多くの賞賜を受けるようになり、孝文帝時代の馬圏での功績が認められ、員外将軍に任じられました。当時、趙脩も宣武帝に寵愛されていましたが、茹皓を妬み、彼を外任の太守として地方に出向させようとしました。茹皓も朝廷の内官として身を置くことに危険を感じていたため、これを受け入れ、濮陽郡太守に任じられ、厲威将軍の号を加えられました。父の茹譲之も兗州陽平郡太守に任じられており、父子の任地の郡境は接していましたが、連絡を取り合うことはありませんでした。その後、趙脩らが失脚し、掣肘する者がいなくなりましたが、太守として目立った動きをすることはありませんでした。

502年（景明3年）、宣武帝が鄴で閲兵を行った際、茹皓は朝廷の内官への復帰を願い出て、太守の任を解かれ、左中郎将に任じられ、直閤を兼ねるようになりました。再び以前のように宣武帝に寵愛されるようになると、茹皓は雁門郡の出身であると自称し、彼にへつらう雁門出身者たちが、茹皓を肆州大中正とするよう司徒に推薦し、特別に許可されました。茹皓は驃騎将軍となり、華林諸作を兼ねて華林園の造作に才能を発揮しました。天淵池の西に人工の山を築き、邙山や南山から佳石を採掘して運び込みました。汝潁から竹を移植し、その間に絹織を施し、楼館を建てて上下に並べ、草木を植えて剪定するなど、自然の趣を凝らした庭園を造り上げました。宣武帝はこれを非常に喜び、しばしば華林園に行幸しました。茹皓は冠軍将軍にも任じられました。

地位が重くなるにつれて、茹皓は政治にも関与するようになり、北海王元詳以下の多くの官僚が彼を憚り、追従する者も多く現れました。茹皓の弟は20歳ほどで員外郎に抜擢され、茹皓自身は尚書僕射の高肇の従妹を妻に迎え、弟も安豊王元延明の妹を娶りました。茹皓は密かに産業を経営し、裏では賄賂を受け取るなどして、巨万の富を築き上げました。宮殿の西側に建てた自宅は、王朝の貴顕の人々の邸宅にも劣らないほど壮麗であったと伝えられています。当時、宣武帝が国政を総覧していましたが、茹皓は自宅に帰ることなく常に宮廷内にいて、門下からの上奏を伝える立場にありました。ほどなく光禄少卿となりましたが、茹皓はさらなる昇進を望んでいました。

504年（正始元年）、高肇は北海王元詳と茹皓らの派閥を憎み、茹皓らが陰謀を企てていると告発しました。茹皓は劉冑、常季賢、陳掃静らとともに収賄と私乱の罪で逮捕され、南台に送られました。翌日、自宅に送り返され、毒殺されました。

茹皓の子である茹懐朗は南青州刺史に上りましたが、東魏の興和初年に罪を犯し死を賜り、子孫も辺境に移されました。

伝記資料

『魏書』巻93 列伝第81
『北史』巻92 列伝第80

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