草木トンネル (わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線)

草木トンネル（くさきトンネル）

草木トンネルは、群馬県みどり市の東町草木を通る、全長5,242メートルの鉄道トンネルです。このトンネルは、わたらせ渓谷鐵道のわたらせ渓谷線に位置しており、列車が約10分で通行することができます。

概要

草木トンネルは、草木ダムの建設が理由で、線路の一部分が水没するために、新たに設けられました。本トンネルは、神戸駅と沢入駅の間にあり、特筆すべきはその長さと勾配です。神戸口と沢入口の間には約140メートルの高低差があり、これが草木ダムの堤体の高さにほぼ相当します。また、トロッコ列車を運行する第三セクター鉄道の中で、最も長いトンネルとなっています。

建設された旧線の一部は遊歩道として整備されており、訪れる人々は草木湖の美しい景色を楽しむことができます。しかし、大部分はダム建設によって水中に没してしまいました。旧草木駅は草木橋近くに位置し、ダム湖の中に沈んでいます。

本トンネルが開通する前の国鉄足尾線では、まだ蒸気機関車が貨物を運んでおり、重連運転も行われていましたが、トンネルが無煙化を前提に設計されていたため、蒸気機関車の排煙設備は設けられませんでした。1970年には、すでにディーゼル機関車による運行に切り替わっています。

歴史

草木トンネルの開通は1973年6月27日で、草木ダム建設による線路の付け替えに伴うものでした。また、橋台が残る旧線跡はほとんど自然に戻っており、一部は遊歩道として利用されています。トンネル内には避難脱出口が設けられ、お客さまの安全を考慮した構造となっています。

見どころ

トンネル内外には、春には花桃や桜が咲き乱れ、多くの観光客が訪れます。特に神戸駅では、花桃まつりが毎年4月上旬に開催され、地元の花々を楽しむことができます。また、トロッコ列車「わたらせ渓谷号」に乗ると、イルミネーションが点灯した車内での旅が楽しめます。トンネル通過後には第一渡良瀬川橋梁があり、草木湖を渡ります。この瞬間に窓を開けて風を感じるのも良いでしょう。

その他

トロッコ列車や普通列車では、車内放送で草木トンネルに関する情報が流れます。しかし、上り列車の場合は隣接する沢入トンネルの轟音により、案内が聞こえないこともあるため注意が必要です。旧線の遊歩道は、ダム方面への県道を進むとすぐに始まりますが、廃トンネルの存在も見学することができます。

ダム建設に伴って、草木湖運動公園へつながる登山道もあり、多くの訪問者が自然と触れ合うことができます。自然と歴史が調和したこの地域は、多様な楽しみ方ができるスポットです。

旧線は現在ほとんどが自然に戻っており、一部の鉄道跡は遊歩道や道路として今も人々の生活に利用されています。いくつかのトンネルや橋の跡も残るこの場所は、地域の歴史を学ぶ良い機会となります。

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