荊木美行

荊木美行（いばらき よしゆき）について

荊木美行氏は、1959年4月生まれの日本の歴史学者です。皇學館大学研究開発推進センター副センター長兼教授として、研究と教育に携わっています。専門は日本古代史であり、特に古代法制史、律令官制の研究に力を入れています。また、記紀研究や『風土記』の学史的研究にも積極的に取り組んでいます。

人物

和歌山県和歌山市出身の荊木氏は、古代史研究者としての顔を持つ一方、文章表現に関する著述も行っています。父親は京都短期大学教授で、秘書教育の第一人者として知られた荊木淳己氏です。父親は民俗学者としての側面も持ち、中国古美術、特に白磁のコレクターとしても有名でした。

略歴

1982年、和歌山県立桐蔭高等学校を卒業後、高知大学人文学部文学科史学専攻に入学し、玉井力氏と金子修一氏に師事しました。1982年3月に同大学を卒業後、筑波大学大学院修士課程地域研究研究科（日本研究コース）に進み、1984年3月に修了しました（国際学修士）。大学院では、井上辰雄氏と芳賀登氏に師事し、日本古代史を専攻しました。

1989年に四條畷学園女子短期大学専任講師に就任、1992年4月には皇學館大學史料編纂所専任講師となりました。1996年には、「律令官制成立史の研究」で愛知学院大学より文学博士号を授与されました。博士論文の主査は同大学文学部鈴木鋭彦教授が務めました。2003年4月に皇學館大学教授に昇任。2013年4月には、皇學館大学研究開発推進センターの発足に伴い、同センターの所属となり、副センター長を兼任しています。

『続日本紀史料』全20巻22冊の編纂・刊行に、同僚の遠藤慶太氏らとともに従事し、2014年に全巻を完成させました。現在、『日本書紀』の古写本の調査・飜刻や『日本後紀』史料の制作を進めています。

主な著書

単著

『初期律令官制の研究』（日本史研究叢刊）和泉書院 1991年
『セクレタリーガイド』和泉書院 1991年3月
『秘書のための文書入門』燃焼社 1991年
『古代天皇系図-初代神武天皇～第五十代桓武天皇』燃焼社 1994年
『『日本書紀』とその世界』燃焼社セレクト教養双書 1994年
『古代史研究と古典籍』皇學館大學出版部 1996年
『大学生のための知的文章術』燃焼社セクレタリーブックス 1997年
『風土記逸文研究入門』国書刊行会 1997年
『知的文章術入門』燃焼社 2001年
『風土記逸文の文献学的研究』皇學館出版部 2002年
『記紀と古代史料の研究』国書刊行会 2008年
『風土記研究の諸問題』国書刊行会 2009年
『令義解の受容と研究』汲古書院 2010年
『記紀皇統譜の基礎的研究』汲古書院 2011年
『風土記と古代史料の研究』国書刊行会 2012年
『金石文と古代史料の研究』燃焼社 2014
『東アジア金石文と日本古代史』汲古書院 2018


編著
『令集解私記の研究』汲古書院 1997年3月

共著
『秘書学入門』（小花和尚子・森本敦司と共著）燃焼社 1993年（増補改訂版1995年、3訂版1997年）
『秘書のための文書業務入門』（小花和尚子・森本敦司と共著）燃焼社セクレタリーブックス 1994年
* 『情報化時代の事務文書管理』（木村三千世・森本敦司と共著）燃焼社セクレタリーブックス 1998年


荊木美行氏は、古代史研究者として、また教育者として、多岐にわたる分野で活躍しています。

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