荒巻禎一

荒巻禎一（あらまき ていいち）

1931年7月22日生まれの日本の政治家、弁護士。

経歴

旧制福岡県中学修猷館、旧制福岡高等学校を経て、九州大学法学部を卒業。

1953年、21歳で司法試験に合格。
1954年、自治省に入省し、熊本県総務部勤務を皮切りにキャリアをスタート。
その後、長崎県、京都府で地方行政に携わり、自治省本省でも要職を歴任。
1978年、京都府副知事に就任し、林田悠紀夫知事を支える。この時、革新府政からの転換期に、野中広務氏と共に、それぞれ異なるアプローチで府政運営に貢献した。
1986年、京都府知事選挙で初当選。以降、4期16年にわたり知事を務め、その間、全国知事会副会長も務めた。
2003年から2018年まで、公益財団法人京都文化財団理事長兼京都文化博物館館長を務め、文化振興に尽力。
2008年から2016年まで、京都府公立大学法人理事長。
2008年から2011年まで、九州大学関西同窓会会長。
2011年、九州大学関西同窓会名誉会長に就任。
2018年、京都文化博物館名誉館長となる。

主な施策

副知事時代には、野中広務氏と協力し、革新府政からの転換を円滑に進めた。荒巻氏は、慎重かつ堅実なアプローチで府政を支えた。

知事としては、「豊かさの実感できる府政」、「地域の均衡ある発展」、「安心・安全」な社会の実現を目指した。昭和から平成への時代の節目において、京都の発展に大きく貢献。

主な実績として、平安建都1200年記念事業として京都迎賓館を誘致、関西文化学術研究都市、日吉ダムの建設、京都縦貫自動車道の整備、JR嵯峨野線（山陰本線）や奈良線の複線電化、舞鶴線や北近畿タンゴ鉄道電化による『京都縦断鉄道構想』の実現、ナホトカ号重油流出事故処理などがある。

また、京都国体、全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会といった地方三大行事を誘致し、京都の活性化に大きく貢献。

ダイアナ妃、ブッシュ大統領（父）、ゴルバチョフ大統領、鄧小平副首相など、世界各国のリーダーを京都に迎え、国際交流にも力を注いだ。

地球温暖化防止京都会議支援実行委員会会長として、会議の成功に貢献し、環境問題への意識を高めた。アル・ゴア前アメリカ合衆国副大統領のノーベル平和賞受賞に際し、京都議定書への貢献を称賛した。

京野菜の振興にも尽力し、京都府産の丹波黒豆を「紫ずきん」と命名した。

2002年、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章。

その他の役職

京都文化財団理事長（京都文化博物館館長）、京都府公立大学法人理事長、全国神社総代会副会長（京都府神社総代会長）、京都造形芸術大学こども芸術大学顧問などを務めた。

司法試験に合格していたものの、司法修習は受けていなかったが、2007年に75歳で弁護士資格を取得し、弁護士として新たなキャリアをスタートさせた。

家族

三男の荒巻隆三氏は、元宏池会代議士で、京都府議会議員を務めた。
妻の父は、元長崎県知事の佐藤勝也であり、佐藤氏は、長崎県出向時の上司で旧制福岡高校及び自治省の先輩にあたる。


荒巻氏は、長年にわたり京都府の発展に貢献し、その多岐にわたる活動は、後世に語り継がれるだろう。

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