荷物 (日本郵便)

日本郵便における「荷物」サービスについて

「荷物」とは、郵政民営化後に日本郵便株式会社が提供する、郵便サービスに含まれない運送サービスのことを指します。この記事では、かつて日本郵政公社が提供していた小包郵便物の後継サービスについて詳しく解説します。

概要

郵政民営化以前、小包郵便物は郵便法で規定された郵便物の一種でしたが、民営化に伴い郵便法から削除されました。これにより、日本郵便株式会社の「郵便の業務」は、国内においては従来の通常郵便物に限られることとなりました。一方、国際郵便については、万国郵便条約に基づき、民営化後も小包郵便物等の取り扱いが継続されています。

国内の小包郵便物に相当する業務は、日本郵便株式会社法で規定された目的外業務として扱われることになり、実際には、民営化法に基づいて内閣総理大臣と総務大臣の認可を受けた「日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画」の中で、「国内貨物運送に関する貨物自動車運送事業及び貨物利用運送事業に係る業務」として整理されました。

この結果、国内の郵便小包は、愛称だった「ゆうパック」に正式に改称され、ヤマト運輸の「宅急便」や佐川急便などの宅配便と同様の扱いとなりました。この事業は、承継計画において「国内物流事業」と呼称されましたが、その運送約款は標準宅配便運送約款等に準じて定められ、その中で「荷物」という言葉が使用されるようになったため、旧小包郵便物の後継サービスは総称して「荷物」と呼ばれるようになりました。

しかし、「小包」という名称は一般に広く認知されているため、現在でも「ゆうパック」は「小包」と呼ばれることがあります。

サービス一覧

日本郵便では、以下のような「荷物」サービスを提供しています。各サービスは、運賃の適用に応じて定義されており、例えば空港ゆうパック運賃が適用される荷物を「空港ゆうパック」と称します。

ゆうパック約款により規定されているもの

ゆうパック（通称：一般ゆうパック、旧称：一般小包郵便物）
ゴルフゆうパック（旧称：ゴルフ小包郵便物）
スキーゆうパック（旧称：スキー小包郵便物）
空港ゆうパック（旧称：空港小包郵便物）
聴覚障害者用ゆうパック（旧称：聴覚障害者用小包郵便物）
点字ゆうパック（旧称：点字小包郵便物）

ゆうパケット約款により規定されているもの

ゆうパケット
大口利用向け（旧称：追跡ゆうメール）
小口利用向け（ポスパケットのサービスを継承したもの）
ゆうメール（旧称：冊子小包郵便物）
心身障害者用ゆうメール（旧称：心身障害者用冊子小包郵便物）
クリックポスト

終了したサービス

エクスパック（愛称：EXPACK500、旧称：定形小包郵便物）
エクスパックは、現在レターパックとしてサービスが継続されています。
ポスパケット（旧称：簡易小包郵便物）


これらのサービスは、いずれも信書の送達には利用できません。信書を送る場合は、郵便サービスを利用する必要があります。荷物に添付できる信書については、郵便法の規定に従う必要があります。

関連項目

宅配便
郵便
郵便追跡サービス

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